日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

日本連絡会議ニュース

       第1号

    2008年1月8日

    毎週火曜日発行

     

 

 

 

 

 

ミサイル防御網構築に対する共同記者会見文(07年12月26日、ソウル・在韓日本大使館前。AWC韓国委員会、平和と統一を開く人々などが発表)

 

日本のミサイル防御網構築に対する共同記者会見文

最近のマスコミ報道によれば、日本は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の試験発射に続き、来年秋にパトリオット(PAC3)ミサイルの初の空中迎撃発射実験まで強行する予定だという。日本のミサイル防御網(MD)は朝鮮人民民主主義共和国と中国の弾道ミサイルを直接狙うものであり、パトリオットミサイル実験まで終えれば、日本のMD構築はすぐさま完成段階に入ることになる。

1. 日本のMD構築は朝鮮半島および北東アジアの平和に逆行するので中断しなければならない。

日本の防衛省は米国と共同でMD構築に拍車をかけてきた。しかし、北の弾道ミサイルの脅威を口実にした日本のMD構築は、どのような理由によっても正当化されえない。12月19日付毎日新聞の報道によれば、日本政府は共和国がミサイル発射を準備する段階で事前に迎撃命令を下すことができるように「MD運用マニュアル」を改定する方針だということが明らかになった。これは、日本MD構築の隠された意図が対北先制攻撃と軍事覇権の貫徹にあるということを物語っている。

他方、日本と米国は韓米連合司令部作戦計画5027と連動した「共同作戦計画(OPLAN 5055)を今年秋に急いで完成させたことがわかっている。米国主導の下、共和国の核・ミサイル施設に対する先制打撃を含む作戦5027の更新と作戦5055の完成が同時に推進された事実は、対北「攻撃作戦」を念頭に置いた共和国ミサイル防御共同作戦が完成段階に到達したことを物語っている。対北先制攻撃を狙った日本のMD構築が、米朝関係正常化、朝鮮半島の非核化など朝鮮半島平和情勢の発展に真正面から逆行するものであることは改めていう必要もないのだ。

2. 北東アジアにおける無制限の軍備競争をもたらす日本のMD構築は絶対に許されてはならない。

日本は中国の3倍に達する圧倒的な軍事費と4倍のGNPを背景に、すでに先端軍事技術と軍事力を備えており、その上にMD兵器構築および武器輸出三原則の緩和などを通した軍事大国化を図っている。特に、弾道ミサイルの脅威を口実として日本が2012年までに8-10兆ウォン以上が必要なMD構築を強行する場合、これに対する中国・ロシアの反発と域内における無制限の軍備競争は火を見るよりも明らかであり、北東アジアは恒常的な戦争の危機に陥ることになる。日本のSM3迎撃実験と時を同じくするロシアの新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射は、北東アジア軍備競争が危険水域に到達したことを物語っている。朝鮮半島平和協定の締結とともに、北東アジアにおいても協力安保を通じた相互軍縮を実現していかなければならないというときに北東アジアの軍備競争を激化させる日本のMD構築を、私たちは絶対に許すことができないのだ。

3. 日本のMD構築は平和憲法に違反する不法なものであるので中断すべきだ。

日米両国は航空自衛隊の航空総大司令部を横田基地へ移し、米5空軍司令部とともに置く一方、横田基地にMD共同作戦センターを設置することにした。そして、海上自衛隊イージス艦が共和国の弾道ミサイルの追跡、迎撃に集中するとき、共和国の戦闘機などを防御するために日本が探知した情報を米軍に提供することにするなど、MD共同作戦のために協力をいっそう強化することにした。ところで、北の弾道ミサイルが日本を狙ったものではない場合、すなわち、日本に対する武力攻撃事態ではない周辺事態のとき、在日米軍に標的迎撃情報を提供することは武力行使を直接支援することになり、集団的自衛権を禁止した日本の平和憲法に違反する。特に、北や中国の弾道ミサイルが日本に向かっているかを確認できない段階でも日本の防衛省が事前命令でSM3迎撃ミサイルを発射できるように改定される「MD運用マニュアル」は明らかに平和憲法に違反したものだ。

ここに私たちは、平和憲法に違反して強行される日本のMD作戦および運用計画に深刻な憂慮を表明し、MD構築を中断することを日本政府に求める。

4. 私たちは日本のMD構築が平和憲法改定の企図と同時に進行していることに注目する。

米国と共同で進む日本のミサイル防衛計画は、専守防衛をはるかに越える攻撃的な長距離弾道ミサイルの開発と導入を意図したものであり、自衛隊の集団的自衛権の行使を前提としたものだ。ところが、安倍前政権が平和憲法を改定して集団的自衛権を行使するために検討した四つの事例―△米国を狙った弾道ミサイルを日本のMD体系で迎撃すること、△日本の海上自衛隊と並行して進む米国の軍艦が攻撃されるときの武力反撃、△平和維持軍活動で他国軍の攻撃に対する応戦、△武器輸送を含む米国の後方支援―は、MD共同作戦の実行と平和憲法改定の企図が緊密な関連の中で進められていることを語っている。

私たちは、日本の巨大な資金力と新技術を必要とする米国が、自衛隊の武装と集団的自衛権の行使、海外派兵を抑制してきた平和憲法の改定に強力な推進力を提供していることを直視し、平和憲法を守ることが日本の軍事大国化を阻止する最後の砦であることを確認する。

ここに私たちは、日本のミサイル防御網構築を阻止する一方で、国内外の平和運動勢力と連帯し、日本の平和憲法の防衛と日米同盟再編に対しても積極的に闘っていく。

2007年12月26日

挺身隊問題対策協議会、祖国統一汎民族連合南側本部、平和と統一を開く人々、平和憲法市民連帯(韓国9条の会)、AWC韓国委員会

 

 

 

 

 

 

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