フィリピン入管当局による入国拒否を弾劾する
2011年7月5日、フィリピン入管当局は、国際民衆闘争連盟(ILPS)第四回総会およびその関連企画に参加するためにフィリピンを訪問したアジア共同行動(AWC)日本連絡会議の訪問団のうち一人の入国を拒否し、日本へと強制送還しました。彼はアジア共同行動(AWC)日本連絡会議の会員であるとともに、アジア規模の民衆団体ネットワークである「日米のアジア支配・侵略に反対するアジア・キャンペーン」(AWC)の国際事務局員でもあります。私たちはフィリピン入管当局の対応を強く弾劾するものです。
マニラ国際空港の入管職員らの対応は実に許しがたいものでした。彼らの態度は非常に強圧的であり、当然認められるべき異議申し立てを無視し、最初の一回を除いて弁護士との対話にも応じようとしませんでした。そして、わずか二時間の後、彼を無理やり飛行機に押し込み、日本に強制送還したのです。
これは明らかな人権侵害であり、まったく許しがたい不当で違法な政治弾圧です。これはまた、労働者民衆の国際的な団結と連帯の前進に対する妨害であり、弾圧です。
私たちアジア共同行動(AWC)日本連絡会議は、フィリピンをはじめアジア・世界の民衆闘争と連帯し、反戦・反米軍基地・反日米軍事同盟・反新自由主義政策の闘いを推進してきました。私たちはまた、2008年洞爺湖サミット反対闘争や2010年横浜APEC反対闘争など、アジア太平洋地域民衆の帝国主義に反対する国際共同闘争を組織してきました。また、沖縄・日本「本土」・韓国・フィリピンなどにおける米軍駐屯と基地強化に反対し、アジア太平洋地域からの米軍総撤収に向けた共同闘争を推進してきました。今回のAWCメンバーに対する入国拒否・強制送還は、このような闘いを標的にした弾圧にほかなりません。
このかんフィリピンや韓国の入管当局はAWCメンバーの入国を数度にわたって拒否してきました。また、日本政府・日本入管もフィリピンや韓国の仲間の入国を数度にわたり拒否・または妨害しつづけています。日米政府当局と各国・各地の反人民的政権は、「反テロリズム」を口実にして互いに情報を提供しあって連携しつつ、国際的に拡大する反戦・反新自由主義グローバリゼーション運動に対する違法で不当な監視と弾圧を強化し、重要な国際共同闘争のたびに、理由も明らかにしないで民衆の往来を一方的に妨害・遮断しています。今回のフィリピン当局によるAWCメンバーに対する入国拒否もまた、そのような強化される民衆運動への監視体制と弾圧の一環です。
しかし、弾圧によって民衆のたたかいとその国際的な団結の発展をおしとどめることは決してできません。労働者民衆の運動は、弾圧を乗り越え、各国・地域でのたたかいと国際連帯を前進させ、そして勝利しなければなりません。そのためにもこのような不当な弾圧に対し、一つひとつ、ともに抗議の声をあげていきましょう。
最後に私たちは、あらためて今回のフィリピン政府・フィリピン入管当局による弾圧を怒りを込めて弾劾し、日米帝国主義に対するたたかいと各地で帝国主義と反人民的政権に対してたたかうアジア太平洋地域および全世界の民衆との連帯をさらに強固に発展させることを決意するものです。
2011年7月6日
アジア共同行動日本連絡会議
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