- 2011年度 活動報告・総括
- 活動報告
- 2011年
- 3月20日
第16回総会(於いて・京都)
- 4月末~5月上旬
フィリピンISA派遣(1名)
- 5月13日~16日
沖縄現地闘争に参加
- 5月下旬
全国事務局訪韓(韓国委員会との会議)
- 6月5日
全国会議開催(於いて・京都)
- 6月11日前後
全国同時開催の反原発集会に各地で参加
- 6月
ILPS総会派遣(2名)
- 6月
アジア共同行動を各地で開催(韓国AWC委員会イホドンさんが参加。東京、名古屋、京都、神戸、福山、福岡で開催。仙台訪問)
- 7月
岩国連帯集会(岩国・労働者反戦交流集会実との共催)
- 8月6日
広島闘争。在特会の妨害に抗してたたかう。
- 8月20日21日
夏期反戦合宿(於いて・岩国市)21日愛宕山座り込みに全員で参加
- 8月下旬~9月上旬
チェジュ海軍基地建設反対闘争へ派遣 チェジュでフォーラム開催 2名入国拒否
- 9月11日前後
全国同時開催の反原発集会に各地で参加
- 10月
ドイツ反原発・環境会議への参加(1名)
- 10月末~11月上旬
フランスG20反対闘争に派遣(2名)
- 11月13日
全国会議開催(於いて・京都)
- 11月26日27日
岩国行動2011開催(クンサンから2名参加)
- 11月28日~
韓国の仲間を迎えてアジア共同行動を各地開催(名古屋、神戸)韓国の仲間とネパール人コックさん争議(霞レストラン争議)に参加
- 2012年
- 1月21日
全国会議開催(於いて・京都)
- 1月28日29日
CCB開催(於いて・ソウル) 2名入国拒否
- 1月30日
入国拒否に抗議する抗議行動(ソウル)
- 1月30日31日
チェジュ海軍基地反対闘争に参加
- 3月11日前後
全国同時開催の反原発集会に各地で参加
- 出版物
- ISA報告集
- チェジュ派遣報告集
- ILPS報告集
- 岩国行動2011資料集(発刊予定)
- G20フランス派遣報告集
- 韓国CCB報告集(発刊予定)
- 活動総括
総括として、第一に、2011年度を通して、米軍再編に反対し、反戦反基地闘争を各地で押し進めたことであり、その全国的結集として、11月の岩国行動2011を成功させてきたことです。米軍再編をめぐる攻防は、昨年度を通して、日米両政府と当該住民を先頭とした全国の反基地勢力との死力をかけたせめぎ合いとなりました。私たちは、東京、京都、福岡などの各地で、沖縄と岩国問題を訴え、岩国住民を各地に招き、こうした取り組みの上に11月の岩国行動2011を成功させました。また、沖縄や岩国現地でのたたかいにも恒常的に各地から結集し、夏期合宿の岩国開催を岩国住民の協力のもとで成功させました。いま、米軍再編をめぐる攻防は、新たな局面に入ってきました。日米両政府は、米軍再編の見直しを迫られています。これは全国の反基地闘争の奮闘の結果である一方、日米両政府による新たな攻撃の始まりでもあります。本年度は、まさに、米軍再編とのいわば決戦の年になると言って過言ではありません。昨年度のたたかいをしっかりと成果として確認し、本年度、一層、米軍再編をうち砕くために反戦反基地闘争を強化していきましょう。
第二に、反原発闘争の全人民的なたたかいの一翼を担い、各地で奮闘したことであり、また、差別・排外主義潮流とのたたかいを推し進めたことです。東日本大震災は、福島第一原発事故によって、未曽有の被害を生み出す事態となりました。放射能によって、人々の暮らしと命は日々むしばまれています。政府や電力独占資本に対して、人々は原発の全廃と再生可能エネルギーへの転換を求め、全国で立ち上がりました。私たちも、被災地支援を含めこうしたたたかいの一翼を全国各地で担うと共に、反戦反基地闘争と反原発闘争を固く結合し、すべての核に反対するたたかいを訴えました。同時に、在日特権を許さない市民の会(在特会)らによる激化する差別排外主義勢力とのたたかいも、各地でともにたたかう仲間と押し進めました。また、8・6広島闘争を、反戦反核反原発闘争としてたたかいぬき、私たちの広島集会への在特会の妨害をはねのけたたかったことです。また、朝鮮学校への無償化除外に抗議するたたかい、育鵬社や自由社の教科書採択に反対するたたかい、学校現場での「日の丸・君が代」強制に反対するたたかいなど、各地でさまざまなたたかいの一翼を担い奮闘しました。
第三に、国際連帯運動、国際共同闘争を果敢に押し進め、韓国でのCCB開催をAWC韓国委員会の仲間とともに成功させたことです。2011年度は、フィリピンISAへの参加、チェジュド海軍基地建設反対闘争への参加、ドイツでの反原発・環境会議への参加、フランスG20反対闘争への参加、そして、韓国におけるCCB開催と労働争議や韓米FTA反対デモなどへの参加など、国際共同闘争を果敢に押し進めました。
第四に、こうしたたたかいを、国際的な弾圧に抗して押し進めたことです。昨年度、チェジュへの入国拒否、韓国CCBでの入国拒否など、四名の入国拒否が韓国政府によってかけられました。フィリピン政府による入国拒否、あるいは、フィリピンの仲間に対する妨害など、AWC勢力に対する弾圧が集中してきました。これは、わたしたちが、国際共同闘争を果敢に進めてきたことへの弾圧であり、国際共同闘争に対する分断攻撃です。反撃を強化し、国際共同闘争のさらなる前進で、こうした攻撃をうち砕いていくために奮闘しました。
第五に、組織建設上の総括ですが、昨年度を通して、日本連の組織強化を進めることができたことです。この面では、学生団体からも全国幹事が新たに就任し、全国共同代表、全国幹事の体制強化が進みました。首都圏や、東海、関西、山口・九州などの各地の運動と主な階層別運動を反映した全国的な体制強化を目指してきましたが、こうした、方向を昨年度の前進をふまえてより進める必要があります。また、主な全国事務局メンバーの病気療養もあり、こうした面では、そのこともふまえた体制強化も課題となってきました。
- 情勢の特徴
情勢の特徴は、第一に、帝国主義グローバリゼーションのもとで、各国地域おしなべて貧富の格差が拡大し、それ故のたたかいがますます拡大していることです。その象徴であった昨年のニューヨークから始まった「われわれは99パーセントだ」という占拠運動は、全世界を席巻しました。貧富の格差はますます拡大し、各国地域で、階級闘争が激化していくこと、これが本年度も情勢の基調です。また、イランへの戦争策動の強化など、アメリカ帝国主義を先頭とする戦争勢力の策動も止むことがありません。
第二に、帝国主義諸国の力関係が、中国の台頭などを受けて大きく変貌しつつあり、日米両帝国主義の軍事同盟も引き続き再編成の渦中にあると言えます。そして、この日米両政府による米軍再編に立ちはだかって、その一部変更を余儀なくさせているのが、沖縄や岩国、神奈川などの反基地闘争です。また、米国政府は、アジア太平洋地域重視のなかで、米軍の再配置と共同軍事行動の強化を全面的に開始しだしました。しかも、これを日米軍事同盟の強化を機軸に進めていこうとしています。こうしたなかで、米軍再編は、本年、大きな攻防局面を迎えることとなりました。日米両政府は、海兵隊のグアム移設と普天間返還を切り離し、海兵隊のローテーション案を打ち出すとともに、しかも、岩国に新たに海兵隊を押しつけるなどの案さえ打ち出してきました。日米両政府は、反基地闘争によって、一部変更を余儀なくされつつ、それでも、また新たな再編強化を強行するためにあれやこれやの策動を強めていると言えます。こうしたなかで、米軍再編とのたたかい、新たな基地建設・強化を許さないたたかいにとって、本年は、いわば、決戦の年といって過言ではありません。
第三に、民主党政権のもとで、新自由主義攻撃と大増税が全面的に強まっていることです。TPP参加、「社会保障と税の一体改革」という消費税大増税、東日本大震災からの復興も新自由主義によって住民無視のもとで進められようとしています。民主党政権は、小泉政権による急進的な新自由主義政策の結果、劇的に拡大した貧富の格差などへの反発を背景に成立したにもかかわらず、結局、新自由主義政策へと回帰し、その推進者となりはてました。
第四に、こうした自民党や民主党からの人々の離反を糾合しつつあるのが、維新の会、橋下らの流れ、名古屋の河村市長らも含めた流れです。これらは極めて危険な流れに他なりません。こうした連中は、実は、徹底した新自由主義の推進者であるとともに、教育二条例、職員基本条例、あるいは、「組合適正化条例」への動きなど、かってない管理と統制、組合敵視を一貫した本性としたものとなっています。維新八策では、憲法改悪もはっきり打ち上げました。また、河村らの南京大虐殺の否定など、こうした連中は、安倍元首相らの教育再生機構や新しい歴史教科書をつくる会などの歴史修正主義者と内容的にも人脈的にも結合しています。ファシズム的な流れといって過言ではありません。
第五に、他方で、労働者民衆の生活はますます苦しくなる一方です。また、東日本大震災と福島第一原発事故による放射能汚染の拡大によって、多くの人々が命を奪われ生活を破壊されました。こうしたなかで、労働者民衆の不満や怒りも拡大し続けています。苦しむ労働者民衆の怒りを結集し、ともに、こうした現状を打破していくたたかいを前進させていくことがますます求められている局面にあるのが現情勢の特徴と言えます。
- 運動方針
2012年度の運動方針の第一は、ますます深まっていく労働者民衆の生活と権利を守るたたかいを共に推進し、こうしたさまざまなたたかいに貢献していくことです。労働組合のたたかい、学生や、被差別大衆のたたかい、野宿者支援も含むあらゆる反貧困闘争を共に進めること、こうした姿勢・たたかいが私たちのベースとなります。東日本大震災の被災者、福島第一原発事故による新たな被曝者への支援連帯など、本年度、引き続き強化していきましょう。また、TPP参加に反対し、全国の農民漁民労働者と連帯してたたかおう。
第二に、米軍再編に反対し、沖縄、岩国、神奈川をつなぐ反戦反基地闘争を総力で進めることです。アジアから米軍と米軍基地を一掃するというアジア共同行動の実践的な特徴をより発揮して、米軍再編をうち砕いていく重要な年であることをキモに命じ、全国で奮闘しましょう。米軍再編とのたたかいは、本年度、いわば決戦の年といって過言ではありません。日米両政府は、米軍再編の見直しをせざるを得ないところに追い込まれています。普天間基地撤去、辺野古新基地建設阻止、岩国基地強化反対、これらはまさに本年度がその正念場の年となることは明らかです。総力をあげて、沖縄連帯、岩国連帯を全国で押し進めましょう。五月には沖縄に各地から結集し、また、岩国へも、愛宕山への座り込みや岩国での反対集会などにどんどん参加していきましょう。また、全国各地で、昨年を引き継ぎ、岩国連帯の学習会や集会、デモなどを果敢に組織していきましょう。そして、沖縄、岩国、神奈川をつなぐ、反基地闘争の共闘を、チェジュ海軍基地建設反対闘争やバリカダンなどの米比共同軍事演習などに対するたたかいを含めた、韓国、フィリピン、米国などと結合した国際共闘として一層強化することに貢献していきましょう。そうしたたたかいを積み上げながら、今秋には、岩国市民のたたかいにとってより貢献できるような工夫を努力しながら、岩国行動2012を、岩国・労働者反戦交流集会実行委の仲間とともに作り上げていきましょう。
第三に、反原発闘争の全人民的な発展の一翼を担い、原発の全廃と再生可能エネルギーへの根本的転換を実現していくためにたたかうことです。反原発闘争の最大の課題は、反政府闘争、反資本主義闘争・反帝国主義闘争としての発展にあります。橋下や維新の会も「脱原発」ですが、そんなのはまやかしです。反原発闘争を、反資本主義・反政府闘争としてたたかう、同時に、平和利用であれ軍事利用であれ一切の核に反対する立場を貫くこと、また、反原発と反基地を結合し、原発も基地もいらないという立場を明確にしてたたかっていきましょう。原発輸出を許さずたたかいましょう。当面、再稼働を阻止するたたかいは緊急の課題です。各地で、反原発の全人民的なたたかいの発展のために共に奮闘しましょう。東電や関電、九電など、また、経済産業省など、政府と電力独占資本に対する直接の大衆的闘争を重視してたたかっていきましょう。また、反原発CCB決議を受けて、原発と基地に反対する国際的な流れの形成の一翼を担っていきましょう。そして、福島とつながったたたかいを重視して進めていきましょう。特に、福島の子どもたち、妊婦をはじめとした人々の命を守るたたかい、原発労働者の命と健康に対する補償を政府に責任を持って行わせるようにたたかっていきましょう。
また、広島長崎での被爆者、被爆二世・三世、さらに、福島第一原発事故で日々生み出されているすべての被曝者に連帯し、本年も、広島闘争を反戦反基地反核反原発闘争として結集していこう。
第四に、差別・排外主義との闘争を引き続き各地で押し進めることです。差別・排外主義潮流の活発化は、ここ数年、目を見張るものがあります。階級格差の拡大や社会矛盾の激化に根拠をもって、在特会のような流れが活発化してきました。真っ向から朝鮮人や被差別部落への差別発言を扇動し、襲撃を特性とする差別・排外主義突撃隊というべき性格をもっています。朝鮮学校の授業料無償化からの適用排除、育鵬社、自由社の教科書採択の増大、日本軍「慰安婦」問題の解決を求めるたたかいへの敵視、大阪の「職員基本条例」「教育二条例」など「日の丸・君が代」不起立教員への解雇の条例化、そして、維新の会などの躍進という極めて危険な状況が生まれだしています。かつての侵略戦争の国家謝罪と補償を放棄し続け、逆に、かつての侵略戦争を正当化しようとする流れが強まっています。こうしたなかで、差別・排外主義との闘争はますます重要なものとなっており、たたかいを強化していくことが必要です。同時に、こうした全体状況を背景に、その突撃隊というべき在特会らの襲撃に実力で対峙したたかいを拡大していきましょう。関西や首都圏で、在特会らの襲撃を許さない共同闘争の一翼を担いつつ、たたかいを強化していきましょう。
第五に、国際連帯、国際共同闘争を本年度もより発展させていくことです。国際共同闘争に対する分断攻撃、弾圧を許さず、果敢に国際共同闘争を推進していきましょう。昨年は、フランスG20反対闘争への参加として、はじめて、ヨーロッパへの派遣を行いました。大きな国際共同闘争については、最大限、こうした派遣を追求していきたいと思います。本年度は、5月のフィリピンISAへの引き続く代表派遣、さらに、6月のメキシコG20への派遣を追求します。また、韓国の反基地闘争と労働運動との連帯を目的とした韓国派遣も本年度も継続していきます。また、6月と11月には、韓国やフィリピン(在日)などからの参加者を迎えて、今年も各地でアジア共同行動を開催しましょう。ただし、11月については、可能な地域のみの開催です。なお、本年度のCCB開催については、台湾開催の可能性もあるようです。CCBについて、各国地域による持ち回り開催の方向を支持し、日本側からも協力していきましょう。仮に台湾開催となれば、ここ数年、充分に身近なものとなっていない台湾のたたかいなどについての事前学習会なども行いつつ、日本側から大衆的な派遣団を台湾に送りだしていきましょう。
以上、五点の重点的な運動方針を各地ですすめ、あくまでも「たたかうアジア共同行動」を合い言葉に、アジア共同行動を発展させていきましょう。
- 組織方針
第一に、本年度も、アジア共同行動の各地での拡大、および各地のアジア共同行動の交流と連帯を促進していきましょう。首都圏、東海、関西、山口・九州をつなぐ、全国共闘組織として相互連帯をより深めていきましょう。各地で行っている争議連帯など、たたかう共闘を重視していこう。
第二に、これを基礎に、全国共同代表、全国幹事、全国事務局の体制をより充実させていきたいと思います。特に、本年度は、全国幹事を出していない地方などをはじめ、全国幹事を新たに拡充し強化していくこと、また、実務体制を担う全国事務局の強化などを重視して進めたいと思います。
第三に、反弾圧のたたかいを全体で強化していきたいと思います。フィリピンでの入国拒否、韓国での入国拒否と、私たちに対して、次々と不当な弾圧がかけられています。国際共同闘争への分断・弾圧に抗して、国際的にも、国内的にも、共同の反撃をより強めていきましょう。また、治安弾圧立法の強化などに対する反弾圧闘争を強化していこう。
第四に、ホームページやAWC情報を一層充実させ、社会的発信力をより強化していきたいと思います。同時に、報告集などの発刊のほかにも、基地問題など重要な闘争課題について、広く人々に訴えるリーフレットの発刊など、ここ数年、不十分となっている領域にも力を入れていく必要があります。各地からの力も発揮してもらい、こうした体制を強化していきましょう。
第五に、本年度も、夏期反戦合宿をアジア共同行動日本連の全国的な活動家育成の場として準備していきましょう。昨年は、岩国市民の協力をえて、はじめて岩国で開催しました。愛宕山座り込み集会への参加と併せて開催したことで非常に意義あるものとなったと言えます。本年度は、どこで開催するかまだ未定ですが、今年も、闘争と結合する形での合宿開催を具体化していきたいと思います。
- 主な年間スケジュール
- 4月下旬~5月初旬
フィリピンISA
- 5月15日前後
沖縄闘争
- 6月
G20メキシコ派遣
- 6月
アジア共同行動を全国各地で開催
- 8月6日
広島闘争
- 8月
夏期反戦合宿
- 秋期
岩国行動2012
アジア共同行動を可能な地方で開催
- 秋期~来年1月くらい
CCB開催(台湾の可能性大)