米比合同軍事演習=バリカダンにたいするアメリカ大使館・領事館への抗議行動
4月16日から約2週間、米軍は、フィリピン国軍との米比合同軍事演習=「バリカダン」を行った。米軍4500人、フィリピン国軍2300人が、スプラトリー(南沙)諸島に近い、パラワン島などで合同軍事演習を行っている。これは、中国を牽制するとともに、アメリカ帝国主義が新軍事戦略としてアジア太平洋地域の侵略的覇権を強める一環だ。フィリピンのバヤンなど反帝民族解放闘争の人民勢力は、中国が資本主義大国としてスプラトリー諸島に進出し、フィリピン人民の民族自決権と領土保全を侵害する事態を批判し、他方で、米帝によるフィリピンの侵略と略奪のための米比合同軍事演習と米軍駐留協定=VFAにも強い反対行動を闘っている。4月18日には、フィリピン漁民の親子の乗る漁船に米軍艦船が衝突し、漁民一人が殺戮され、息子も重傷を負ったという事件が発生した。例によって、「公務中の米軍」への治外法権を盾にして、フィリピン人民の真相究明・謝罪・責任者処罰の要求は、米帝・米軍に踏みにじられている。現在のノイノイ・アキノ政権は、大統領選挙の過程で、VFA・米軍犯罪免責などの見直し、フィリピンの自決権回復を公約としていたが、まったく実施していない。バヤンなどは、大抗議闘争を繰りひろげている。
さらに、今回のバリカダン軍事演習に対して、自衛隊がマニラに派兵された。韓国軍・オーストラリア軍なども合流した。これらは、「遭難や災害への救援」の美名で、米軍との地域的な侵略連合軍化の性格を覆い隠している。
くわえて、押さえなくてはならないこととして、朝鮮半島において2月27日から4月30日まで、大規模な米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ/フォールイーグル」や「双龍訓練」が実施されている。
こうしたなかで、4月13日、朝鮮民主主義人民共和国の人工衛星発射が行われ、これをめぐって、自衛隊がPAC3やイージス艦によるミサイル迎撃態勢をとり、沖縄島・石垣島・与那国島などや東京・首都圏で戦争発動準備をとったのだった。もちろん、米軍と自衛隊の一体化のもとで。
野田政権の消費税増税や原発再稼働の攻撃とともに、以上の侵略戦争事態が一食触発の状態のなかで、米日帝を中心にアジア太平洋地域で繰り広げられている。許しがたい。現憲法9条、平和的生存権のとてつもない破壊である。
フィリピンのバヤン・KMUなどや、ILPS(国際人民闘争連盟)は、バリカダン演習への国際抗議行動をよびかけた。アジア共同行動(AWC)日本連や反戦実などがこれに応え、国際連帯行動を闘った。
4月16日には、大阪のアメリカ領事館への抗議が取り組まれ、バリカダンへの国際同時抗議を担っていった。
4月22日には、東京のアメリカ大使館への抗議が闘われた。アメリカ大使館は、なんと、土日に抗議文は受け取らないという、ふざけきった態度を傲慢にも取って来た。警視庁の警察もまた、妨害してきた。AWC首都圏の仲間たちは、これを許さず、大使館の面前で、大声で抗議文を読み上げ、アメリカ大使館の衛視をひっぱりだし、糾弾していった。
団結した人民は決して負けない。米日帝国主義と国際連帯でたたかうこと、これをいっそう強めていこう。
» 米比合同軍事演習=バリカダンにたいする抗議文<4月16日アメリカ領事館抗議行動>(PDFファイル・約151KB)
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