アジア共同行動・日本連絡会議

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日本連絡会議ニュース

 

 

 

5月26日、田村さん(岩国市議)、神奈川で岩国反基地闘争を語る!


5月26日、神奈川の大和市生涯学習センターにて、岩国反基地闘争をたたかう田村順玄・市議が講演を行いました。主催は、原子力空母の母港化に反対し、基地のない神奈川をめざす県央共闘会議です。その副代表である檜鼻達実さんから、AWC日本連のメンバーによびかけがあり、鴨居代表などが参加しました。

講演のあいだ、厚木基地の米軍艦載機がすさまじい爆音を8回も轟かせる状況下での取り組みでした。田村さんは、ことし5月5日岩国基地オープンデーに抗議ビラまきを行い、基地内に入ろうとしましたが、昨年9月に続き、2回目の基地立ち入り禁止を米軍から受けたそうです。当日は、すさまじい警戒状況で、一人ひとりが身体検査をうけ、基地入り口から20数キロに渡って、混雑の列ができたそうです。

2006年3月の岩国住民投票の勝利、市庁舎建設費36億円の助成金凍結という国からの攻撃、基地強化容認の新市長にもとで防衛省から莫大な助成金が入って市予算の3分の一となるなど、「飴と鞭」の攻撃を話されました。岩国市の愛宕山の住宅建設事業も県と市に裏切られて、昨年末から今年3月23日までに、防衛省に売却する契約が行われ、反対する多くの住民を押さえつけて、米軍住宅とされる事態が進んだことなど。岩国基地は、沖合いに拡張し、800ヘクタールの広大な規模となったこと、愛宕山の米軍住宅という新たな米軍施設も75ヘクタールあること、ここには現存の米海兵隊や海上自衛隊に加えて、普天間のKC130空中給油機の移転、厚木艦載機59機の移駐、さらには危険極まりないMV22オスプレイ部隊も旧滑走路の1200メートル規模の施設に配備されるという。

神奈川県央共闘などの参加者に、田村さんは、結局、米軍は厚木も岩国も両方を使おうとしていると訴えた。とりわけ、米軍再編計画を進めることが出来るところには、どんどん攻撃してくると怒り、岩国基地強化を痛烈に批判した。岩国基地拡張の沖合い埋立への異議申し立ての裁判は、6月6日に判決があること。愛宕山の米軍住宅を許さない裁判、爆音訴訟もアピールされた。日常不断に、米軍基地に反対し、たたかうを繰りひろげることが重要だと述べて、田村さんは講演を締めくくった。

沖縄、岩国、神奈川の反基地闘争を結合し、米軍再編攻撃を打ち砕こう!韓国、フィリピンなどアジア各地の反米軍・反戦の闘いと国際連帯し、アジア米軍総撤収をかちとっていこう!

以下、田村さんによる岩国反基地闘争のレジュメを掲載いたします。


山口県「岩国基地」

世紀の大愚作、愛宕山の米軍基地化に反対する取り組み

米軍再編 停滞する沖縄・普天間返還の狭間で拡大強化が続く

岩国市議会議員 田村順玄

岩国では40年前から、岩国市民が「悲願」というまくらことばまで付けて推進してきた「岩国基地滑走路移設事業」がある。約2500億円の思いやり予算を投入し、岩国基地の面積を1・4倍に拡大強化する埋め立て事業である。

そして1km沖合に新たな滑走路がもう1本出来、広大な埋立地には全て新しい基地施設が建設されている。そしてその広く新しくなった岩国基地に2014年、新たに配備されるのが「厚木基地の艦載機部隊」である。この部隊の兵士や家族4千人のために、政府は破綻した愛宕山新住宅市街地開発事業の跡地に目を付け、米軍住宅建設計画を作った。

開発したものの破綻して活用目的を失った愛宕山開発討画は、事業主の山口県と岩国市に負債約250億円と広大な更地を残した。この借金の解消と艦載機部隊の住宅確保という一石二鳥に悪のりした県知事と市長が、防衛省にこの用地への米軍住宅建設を提案した。この要請に飛びついた防衛省は早速、2010年度から199億円の予算を確保して跡地売却のチャンスを狙ってきた。

県知事と市長はこの用地を売却する条件として、米軍住宅エリアの一角に野球場や陸上競技場など一大スポーツ施設を建設させ、岩国市民に開放するという「アメとムチ」の施策を提案し、実現を迫っていった。この提案に関係スポーツ団体は大喜び、施策実現への強い市民世論として事態の推進役とさせた。

こうして2年余りのう余曲折があったが、昨年末、愛宕山売却へ国と県・市の協議は徐々に煮詰まっていった。そして昨年12月、国と県と防衛省による意思確認の文書交換が12月26日にまとまった。あとは売却契約を残すのみ。

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ところが、今年2月初め、日米政府が進める米軍再編協議の中でまたまた市民の頭越しにとんでもない防衛政策が飛び込んできた。米海兵隊約1500名を岩国基地へ移転させるというプランが、昨年暮れ頃から日米当事者の間で俎上(そじょう)に上がっていることが明らかになったのだ。

岩国基地へはもともと、米軍再編計画で厚木基地から空母艦載機59機を移転させるという案があったが、6年前から住民投票で圧倒的市民の反対意思が示されていた。にもかかわらず、その押しつけが継続しており、この問題にほんろうされる日々が続いてきた。

その上、岩国へ沖縄の海兵隊を上乗せして押しつけようとする話などとんでもないことで、とても受け入れられるものではない。このニュースを聞いた市民は驚がくし、これまで艦載機部隊の移転容認を画策してきた県知事や市長、保守系の議員からも大きく反発する声が上がった。もちろん市民の反対世論は大きく盛り上がり、市議会も3月議会で全会一致の反対意見書を可決した。

こうした状況の中で防衛・外務両大臣へ愛宕山の売却意思を伝えていた知事と市長は大あわて、売却契約を一時留保するという方針変更の事態となった。知事はこのたびの事態に怒り、「取りざたされているような事実が一切払拭されなければ愛宕山は売らない」「日本政府の弁解があっても、米国の意思が明確に聞けない限り懸念は消えない」と大見得を切って事態の推移を見守った。

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しかし、政府が確保している199億円の愛宕山買い取り予算は単年度主義の予算制度の中で、平成23年度末までしか使えない。ここではいったん疑問や懸念は横に置いておき、国に買ってもらわねば借金解消も出来なくなるという県の思惑も加わって、県・市の売却意思が揺れ、またまた迷走した。

3月15日、外務・防衛の政務官が県・市を訪ね、年度内の売却を強く要講、知事や市長の態度を揺さぶった。「米国側も海兵隊の岩国移転はないといっている」という全く裏付けもない内容のお土産を前に、知事と市長は待ってましたとばかりに上げた拳を下ろし、この使者へ愛宕山売却の意思表示を示した。そして年度内の手続きが大きく進展した。

県議会・市議会閉会を待って上京した知事と市長は、外務・防衛大臣から文書の回答を受け取り、「海兵隊の岩国移駐はない」という全くあいまいな回答を錦の御旗にして、国に正式な用地売却の意思を伝達した。

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大臣からの文書が全く県民に周知されることもない翌23日、知事は定例記者会見でこれを報告し、その日の午後防衛省との契約まで終える手はずを整えるという情報が入った。

こうした緊迫した事態に「愛宕山を守る会」のメンバーは抗議の行動に立ち上がり、3月23日早朝から県庁に乗り込んだ。この4年間、「愛宕山に米軍住宅はいりません!」と10日に1回の座り込みを60回余も続けている人たちである。

これまで1度もわれわれの前に現れず、全く血の通った会話のない知事が、このまま愛宕山を防衛省に売り飛ばし、新たな米軍基地とすることは許せないと、知事との面会を求め、知事室前で要請を続けた。

前夜の午後8時過ぎ、「23日午前8時50分県庁ロビー集合」という合言葉によって、この朝集まったのは約40人、3名の県議さんの同行もいただき早速2階の知事室へ向かった。そこでビックリ、知事室手前の廊下が秘書課職員で施錠され、しっかり進行を阻んでいる。愛宕山を所管する総務部の職員が別に部屋を用意していると移動を迫り、この場で数時間押し問答になった。結局知事は私たちの前には現れず、この日午前10時から予定していた定例の記者会見も3階の会見場に移動することが出来ないという理由で中止になった。

夕刻のテレビニュースを見ると「会見開催を妨害された」とわれわれ県民を暴徒扱いし、卑屈な小役人官僚丸出しのコメントをする始末。こうして、愛宕山はこの日(3月23日)防衛省への売却契約が整い、米軍基地にされることが決まった。

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知事はこの7月、4期の任期が終了すれば引退が決まっている。最早レームダック状態の中で、このように重大な事案を決定し愛宕山を新たな米軍基地とすることなど、とても許される政策ではない。まさに平成の大愚作である。

野田総理が訪米し、日米の安全保障政策で共同発表がなされるが、その内容については相変わらず沖縄・普天間基地の返還という大命題が全く解決されるきざしもなく、残るのは日本全国各地を米軍基地化する基地強化策だ。

こうしたはざ間にある岩国基地が、日本国内では唯一新たな基地施設として拡大強化され続けていくことは、何としても阻止していかなければならない。機能強化を、絶対に今以上されないよう、いっそう取り組みを強めていかねばと決意する昨今である。

5月26日、田村さん(岩国市議)、神奈川で岩国反基地闘争を語る!・その1

5月26日、田村さん(岩国市議)、神奈川で岩国反基地闘争を語る!・その2

5月26日、田村さん(岩国市議)、神奈川で岩国反基地闘争を語る!・その3


資料

» 米軍が再び田村順玄市議の入場を拒否!(PDFファイル・約347KB)

» 田村さんによる岩国反基地闘争のレジュメ(PDFファイル・約213KB)

» 『おはよう愛宕山』(PDFファイル・約2.5MB) 『おはよう愛宕山』第418号

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