アジア共同行動・日本連絡会議

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AWC情報 2012.9.27

アジア共同行動(AWC)日本連絡会議
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「平和と統一をひらく人びと(ピョントンサ、韓国反米軍闘争団体)」への弾圧に対する抗議声明

9月20日、韓国の「平和と統一を開く人々(ピョントンサ)」に、再び国家保安法容疑で大規模家宅捜索がかけられました。以下、日本連の抗議声明と関連資料です。


韓国平和団体(ピョントンサ)への国家保安法弾圧を糾弾し、韓国-沖縄-岩国の反基地運動の国際連帯を発展させよう!

9月20日午前、韓国の国家情報院と警察は、「平和と統一を開く人々(略称:ピョントンサ)」の地域事務所(富川、群山、大邱など)と活動家の自宅など、全国6ヶ所を強制家宅捜索した。今年2月8日に続く二度目の大規模家宅捜索であり、容疑は前回と同様に国家保安法違反(国家保安法第7条:反国家団体の称賛鼓舞など)であるという。

今回もまた国家情報院と警察が家宅捜索令状に記載している「容疑内容」は噴飯ものである。ピョントンサが朝鮮半島平和協定の締結や駐韓米軍撤収などの主張を各種集会で行いこれをインターネットに掲載して北側が見られるようにしたとか、すでにマスコミで公開済みの朝鮮民主主義人民共和国当局の共同社説や声明をインターネットに掲載したことが利敵性を帯びており国家保安法に違反する疑いがあるというのだ。また今回も、北との金品の授受を証明するとか、中国で北と会合する可能性が濃厚だとかいう、何らの根拠もない作り話を持ち出して捜索令状をとっている。ピョントンサ側はすでに2月8日の強制捜索に対して、国情院が捜索令状をとるために事実を歪曲したとして国家情報院長を告訴している。ピョントンサと諸団体は、24日共同記者会見で、今回の大規模家宅捜索と国家保安法による弾圧の目的が、各地で活発に展開されている済州海軍基地反対闘争を萎縮させるためであり、同時に大統領選挙を前に公安政局を作り出してセヌリ党(前ハンナラ党)に有利な状況を作り出そうとするものだと指摘して強く批判している。

とりわけ済州海軍基地建設をめぐっては、済州海軍基地の設計報告書に「駐韓米軍海軍司令官の要求を満たす水深(水深15.20m)である17.20mで計画された」と明示されていたことが暴露され、済州海軍基地が韓国軍の保有していないエンタープライズ級原子力空母を前提に設計され、米軍の要請で建設されようとしているのではないかという疑惑が浮上してきた。韓国海軍側は、「どの軍港にも適用される一般的基準」と苦しい弁明をしたが、平澤軍港などはこの基準に満たないため米軍の原子力空母が入港できないとされていることも明らかになった。カンジョン住民は「済州海軍基地はアメリカの対中国前哨基地だ」と鋭く告発している。

韓国政府と米国政府は、韓国国内においては国家保安法弾圧によって済州海軍基地反対運動を萎縮させようとし、国外からの支援については入国禁止措置を乱発して国際連帯を遮断しようとしている。また米軍の使用を前提とした済州海軍基地建設をめぐるなりふり構わぬ弾圧を見るとき、私たちは、この間のオスプレイ岩国強行配備と国の一方的「安全宣言」、そして普天間配備のための岩国での試験飛行開始の強行や沖縄高江地区でのオスプレイ着陸帯建設工事の強行という事態を想起しないではいられない。在日米軍再編-強化と駐韓米軍再配置-済州海軍基地建設は切っても切れないひとつの問題だ。私たちはピョントンサへの度重なる国家保安法弾圧を糾弾し、強化される日米韓の軍事同盟に対して韓国-沖縄-岩国の連帯を強め、ともに反撃していこう。

2012年9月26日
アジア共同行動日本連絡会議


関連記事&資料


統一ニュース 9月20日記事

国家情報院、警察、ピョントンサ地域事務所など6ヶ所を家宅捜索

国家情報院と警察は、 「平和と統一を開く人々」(以下ピョントンサ)の地域事務所と幹部の自宅など6カ所を20日朝から家宅捜索している。去る2月8日のピョントンサ本部事務所など7ヶ所の家宅捜索に続き二回目だ。

ピョントンサ関係者によると、大邱(テグ)ピョントンサ常任代表の自宅と富川(プチョン)ピョントンサ事務所と共同代表2人の自宅、郡山(クンサン)ピョントンサ事務所と事務局長の自宅など6カ所が、国家保安法違反の疑いで家宅捜索されている。

<連合ニュース>によると、国家情報院と警察は、ピョントンサが北朝鮮当局の発表した共同社説とスポークスマンの声明、利敵性を帯びた文書などをインターネット上で公開した疑いがあるとして、事務所と自宅でコンピュータのハードディスクをはじめとする関連資料を確保している最中だ。

警察の関係者は、 「共同社説や声明などはすでにマスコミに報道されてはいたが、ピョントンサは利敵性を帯びてその文書を公開した目的が明らかで国家保安法違反の疑いがあるので証拠の確保が必要であると判断した」と明らかにした。

ピョントンサ関係者は 「富川ピョントンサからの報告によると、(当局は)北の主張に同調する集会などをして、これを公開したことを問題視しており、金品の授受を立証するために家宅捜索が必要だと言っている」とのべ、「内容的には、平和協定締結、在韓米軍の撤退、連邦制統一を主張した、というものであり、さらには中国などで北朝鮮と接触する可能性が濃厚だという疑いを抱いている、と聞いている」と伝えた。

この関係者は 「金品授受は全く根拠もないし、北との会合通信の可能性が濃厚だという内容もまた実行行為もない状態で予断をもって判断したもので、事実上、当事者の心の中を覗いて関心法を適用したもの」と述べ、「法治主義の原則にも反しており、人権に対する重大な後退と挑戦 」と批判した。

この関係者は 「国情院が去る2月8日ピョントンサ本部への家宅捜索時にも弔意文書などを問題視して令状をとったが、8月末になってようやく検察に送致した」とし、「今回も金品授受を云々して令状をとったのは「偽計(計略)による公務執行妨 」に該当する」と主張した。

今年2月ピョントンサは、国情院が裁判所から押収捜索令状を取るために事実関係を歪曲したとして公務執行妨害の疑いでウォン・セフン国政院長を告訴・告発している。(修正、17:12)

ピョントンサのホームページから

9月20日午前7時、大邱(テグ)保安捜査隊要員数十人が大邱(テグ)ピョントンサのペク・チャンウク常任代表宅に押し入り家宅捜索を進めています。同じ時間、群山ピョントンサ事務所とキム・パンテ事務局長自宅でも保安捜索体の家宅捜索が行われています。また、午前8時から富川ピョントンサのシン・ジョンギル、チュ・ジョンスク代表の自宅と事務所でも家宅捜索が行われました。家宅捜索令状には、ピョントンサ活動全般についての調査が言及されているということです。より詳細なニュースは再度確認してお知らせします。

<ピョントンサのコメント>

済州海軍基地反対活動の萎縮と大統領選挙時の公安政局を造りだすことを狙った国家情報院と警察の地域ピョントンサに対する家宅捜索を強く糾弾する!

国家情報院と警察は、(9月)20日午前、富川、群山、大邱など、ピョントンサ地域事務所と実務者の自宅など計6ヶ所に対して、国家保安法7条の称賛鼓舞などの疑いで家宅捜索を実施している。

国家情報院などは押収捜索令状でピョントンサの平和協定締結と在韓米軍撤収の主張が北を称賛鼓舞するものだと主張する。しかし、戦争が法的に終了されず、60年以上続く状態にあって外国の軍隊が駐留しつづける国で、その解決を主張することは、民主主義国家において極めて自然で正当な行為である。それだけでなく、ピョントンサが創立された1994年以来、このような主張を続けてきたが何ら問題にならなかった事柄である。したがって、問題は、このような主張を容認できない李明博政府の反北対決主義と民主主義の蹂躙にあるのだ。

国家情報院などは、ピョントンサが平和協定の締結、在韓米軍の撤収などの主張を各種集会で行って、これをインターネットに載せて、北が見られるようにしたという内容の家宅捜索令状を提示した。富川ピョントンサ代表の場合、国家情報院などは、北との金品授受を立証するために家宅捜索が必要だと令状に書いてあった。しかし、いざ調査の過程で、通帳のコピーさえしなかった。さらに令状には、何の根拠もなく、中国などで北朝鮮と会合する可能性が濃厚だという内容も含まれている。

このように、家宅捜索令状は三流小説にも劣る幼稚なシナリオで構成されているだけでなく、虚偽の事実と恣意的・主観的な予断までを含んでいる。国情院は去る2月家宅捜索の過程でも、あきれたことにピョントンサを「旺載山事件(訳注:昨年のでっち上げ北朝鮮スパイ団事件。一審で重刑判決)」と関連させたり、金正日国防委員長の弔意文を送ったことを犯罪視したり、ピョントンサのキム・ジョンイル現場チーム長の金品授受や会合通信罪の疑いをかけられたことがある。しかし国情院は調査の過程でこれらの事案について調査すらしていないことから自分たちの令状請求が根拠のないものであることをみずから暴露した。

国家情報院などが再びピョントンサの家宅捜索を行ったのは2月家宅捜索にもかかわらず、各地域で済州海軍基地反対活動を活発に行っていることに対してブレーキをかけ、本格的な大統領選挙の局面が開始される時点で、公安ムードを造りだしてパク・クネとセヌリ党の執権を助けようとする意図だと考えざるを得ない。

私たちは、20年近く公開的合法的に活動してきたピョントンサに対して、相次いで弾圧を強行する国家情報院と李明博政府を強く糾弾する。私たちはピョントンサをはじめとする平和統一運動団体に対する弾圧を即刻中断することを厳しく要求する。私たちは、私たちの社会の平和と統一、民主主義と進歩を妨げる国家情報院など公安機関を改廃して稀代の悪法である国家保安法を廃止するためにあらゆる努力を尽くす。

2012年9月20日

平和と統一を開く人々
(常任代表:ムン・ギュヒョン、ベ・ジョンヨル、カン・ジョング)

関連情報

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