アジア共同行動・日本連絡会議

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自衛隊の朝鮮戦争参戦化―破壊措置命令の発動に抗議する。PAC3やイージス艦の沖縄・日本海・首都圏での迎撃配備―軍事出動をやめろ!


朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)が今年4月に失敗した人工衛星「光明星3」の2号機を12月10日-22日の間に打ち上げると発表した。その後、第一段の運搬ロケットに不具合が発生したと、12月29日までへ延期、変更した。これは故金日成主席の「生誕100年」祝賀事業の一環として予定されていたようだ。共和国側の主張を要約すると、いまだに米国との戦争状態にあり、きわめて困難な環境にあるが、自主権をもって「社会主義」の「強国」として、軍事目的ではなく人工衛星として、最先端技術の開発・実用化をすすめているという。

他方、米国は、米韓日軍事同盟を編成し、共和国への戦争重圧を続け、ますます強めている。米国は周知のように核兵器を大量に保持し、劣化ウラン弾を使用し、いまなお放射能汚染をイラク・アフガン侵略戦争―大虐殺でくりひろげ、第七艦隊など空母攻撃群など海陸空海兵隊の戦闘部隊やミサイル・無人攻撃機といった膨大な軍事力を有している。日本もロケットや人工衛星を打ち上げ、原発システムの核武装利用化をねらいながら、陸海空20数万の自衛隊軍事力を持つ。しかも、共和国に対する再びの朝鮮戦争を企て、米韓日軍事体制が強化され、米韓・米日の軍事演習が常態化している。米国はこの朝鮮戦争態勢を中国やASEANへと拡大強化していることが近年明らかになっている。

共和国側の人工衛星ロケット発射がそれ自体はなんら非難されるべきことではない。むしろ問題なのは、朝鮮半島をめぐる戦争状態の終結、すなわち朝鮮戦争休戦協定を米朝平和協定・米朝国交正常化とすることであり、日朝間の敵対関係から国交正常化への転換、もちろん決定的な朝鮮半島の自主的平和統一が必要なのである。共和国への日米の制裁ならびに、それに他の国連安保理常任理事国の追随は、まったくの論外である。

ところが、日本政府・防衛省は、安保会議をもって、PAC3迎撃ミサイルを沖縄島、宮古島、石垣島、首都圏三カ所に配備し、イージス艦を沖縄周辺海域と日本海に派遣した。そのうえで、共和国のロケット打ち上げの一部分が領海領土へ落下することに対処すると称して、これを迎撃する「破壊措置命令」を発動した。事実上、自衛隊による朝鮮戦争参戦化なのである。憲法前文・9条にある「国際紛争への武力行使禁止・平和解決」に違反するとんでもない事態である。断固として抗議する。

しかも、悲惨極まる沖縄戦を経験し、この間、米軍基地の集中やオスプレイ配備によって平和的生存権を蹂躙しつづけられる沖縄人民にたいして、基地撤去・安保破棄の反戦平和の要求を踏みにじり、再び戦場へ引きずり込む動きが強行されている。現在、沖縄において、PAC3配備などの自衛隊出動と臨戦態勢・地域戒厳令が展開されているのだ。自衛隊の沖縄出動、沖縄の差別軍事支配の強化にたいして、徹底的に弾劾する。

さらにわれわれが対象化し解決すべききわめて重要な課題が共和国側と日本側の間に存在することをぜったいに忘れてはならない。歴史的には、日本が侵略戦争した側にあり、共和国など朝鮮半島全域の人民は日本帝国主義の侵略に抗して民族独立の解放闘争を進めてきたという関係が現存している。日本帝国主義・天皇制は朝鮮を侵略し植民地支配した。そのなかで、数千万規模の朝鮮人民にたいして天皇制と日本人侵略者の蛮行によって、略奪・拉致連行・強かんなど組織的な差別抑圧と犯罪がくりひろげられてきたのだ。当然、日本は、朝鮮への侵略・植民地支配への謝罪と戦後賠償の責任がある。これはなんら果たされていない。

このかん、日朝平壌宣言によって、日朝国交正常化の大きな機会がつくられた。共和国側はいわゆる「拉致問題」を認めて対処し、日朝間の不平等な敵対関係の歴史的改善をもとめてきた。ところが日本側は、先の朝鮮侵略・植民地支配という蛮行/略奪/犯罪への謝罪と賠償をいっさいすすめていない。それどころか日本政府と右翼ファシスト勢力は、朝鮮の侵略植民地を「開発・発展」と居直り、正当化し、これまでの共和国との対立関係をさらに利用して、在日朝鮮人への差別排外主義攻撃、日本の政治軍事大国化路線を宣伝煽動し、これを進めているのである。ぜったいに許すことはできない。とくに朝鮮学校の「高校無償化」除外などは、とんでもない差別攻撃であり、言語道断である。

それ故に、日本政府にたいして、次のことを抗議し、求めていかねばならない。

一、日朝間の敵対と対立をやめ、在日朝鮮人へのあらゆる差別を許さず、さきの朝鮮侵略と植民地支配にかんするすべてに謝罪と賠償を行い、その責任者(天皇をふくめた)の処罰と反侵略・反戦平和・人民主権・民主主義の歴史教育をすすめ、日朝国交正常化を行うこと。

一、朝鮮学校への「高校無償化」除外を即刻やめること。

一、自衛隊の朝鮮戦争参戦化をぜったいにやめること。PAC3やイージス艦などの軍事出動をやめ撤収すること。破壊措置命令の発動を即刻中止すること。

一、沖縄への差別軍事支配をやめること。沖縄への自衛隊配備を撤収すること。オスプレイ配備即時撤回、普天間基地即時閉鎖、在沖米軍基地をそっこく撤去すること。

一、朝鮮半島の戦争状態を平和協定へ転換することに取り組むこと。米朝平和協定を促進すること。米日韓軍事同盟とその演習・戦争態勢を取りやめること。

以上。

 

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