IAEA福島国際会議への反対闘争をたたかう!
12月15-17日、IAEA(国際原子力機関)と日本政府の共催による「原子力安全に関する国際会議」が福島・郡山市で行われた。AWC首都圏は、これに反対する現地行動へメンバーを派遣した。福島第一原発事故はいまだに収束していない。日々、放射能汚染を拡散し続け、福島を中心とした子ども・女性・原発関連労働者・住民への被曝が続いている。今回のIAEA福島国際会議は、これらの犯罪的事態を覆い隠し、原発の安全性をでっち上げ、原発推進を内外に宣言する許しがたい会合なのだ。高揚する反原発運動に冷水を浴びせる、とんでもない国際会合である。
ここで、政府とIAEAは、「廃炉と除染の技術協力」に合意し、核・放射能の汚染―被曝への長期人体実験の研究とその蓄積方針を確認した。福島に核の研究機関・人材をあつめ、国際的な原発推進に利用すると言うのだ。
アメリカ・欧州の帝国主義国、ロシア、中国といった国連安保理常任理事国による核兵器と原発を国際的に統括する国際機関こそが、IAEAである。この帝国主義による核武装の独占的支配体制と繋がり、原発(核武装)の技術と利権を再構築することが狙われている。すなわち、日本政府・官僚、東電・関電など電力独占、そして東芝・日立・三菱などの電機独占の巻き返しが、国際的な核独占体制の強化とともに、IAEA福島国際会議で進められている。
わたしたちは、核と人類が共存できないという広島/長崎の反戦反核被爆者者解放運動の原則的な立場と闘いの蓄積をおさえなくてはならない。かつ、いまなお福島第一原発崩壊による被曝被害の拡散化が続く犯罪的事態を弾劾し、福島現地の人びとの闘いと連帯しなくてはならない。私たちはこうした方針でIAEA福島会合反対を取り組んでいった。
原発の再稼働/輸出、そしてオスプレイ普天間配備強行、非正規と貧困格差の温存その他など、これらをすすめた野田政権は、人民の変革要求をことごとく裏切って、ボロボロとなって、さきの衆院選では完膚無きまでに打倒された。次は、帝国主義強国・日本を「取り戻す」と標榜する安倍政権が登場した。安倍政権と活発化する右翼排外主義勢力を打倒すること、これによって労働者・人民の闘いの隊列と団結はほんとうに強くなる。だからこそ、反動に嵐に抗して、たたかっていこう。
現地闘争参加者の報告
12月15日、IAEAの会議が行われる福島県郡山市のビッグバレット前にて、「原発いらない福島の女たち」の呼びかけでIAEAへの街頭抗議と申し入れ行動が取り組まれ、AWCからも参加しました。街の至る所にIAEA歓迎のポスターが貼られ、郡山駅には参加者を誘導するスタッフが多数配置されるなど、政府と地元が一体となった歓迎ムードが演出されていますが、日々心配しながら過ごす市民からは「浮いた」雰囲気を感じさせるものでした。会場周辺は多数の警官によってものものしく立ち入りが規制され、とても市民の安全に直接関わることを議論する場とは思えません。私たちは会場から100メートルくらい離れたコンビニ前で抗議せざるを得ませんでした。
こうした会議は一体誰のためのものなのでしょうか。昼前に会場に向かって進もうとするとするもののたちまち警官が阻止線を張って妨害。「私たちを抜きに、福島のことを決めるな!」参加者の口々から当事者を排除した会議のあり方への抗議がたたきつけられました。粘り強く交渉して、会場南側の駐車場でIAEAの担当者が私たちの申し入れ書を受け取ることに。会議を傍聴した方からの報告によれば、どの国の代表も判を押したように同じ演説内容で、IAEAの基本方針に従う、原発の安全性を高めていく、と。会場には除染活動を紹介する資料が多数展示される一方で、福島の人々の声は隅の方のホワイトボードに掲示されていただけとのこと。本当に耳を傾けるべきはここではないのか!欺瞞的な会議の性格が改めて暴露されました。
担当者に申し入れ書を手交し、引き上げる間際に被曝二世を名乗る方がマイクを握りました。「私の父は昨年膵臓ガンで亡くなった。広島で被曝していた事実をずっと教えてもらえずにきた。私のような二世で亡くなっている人も大勢いる。警察官の方々が一線で危険な任務に向かわされることを本当に心配している。どうか、職場の中で、どうやって被曝を無くしていくか、話し合ってほしい。」真摯な訴えに、阻止線を張る警官や警備員たちもうつむきながら耳を傾けていました。彼らの中でも、被曝について捉え返し、任務について考えなおす取り組みが始まってほしいものです。
その後も国道4号に面した場所で道行く人々や車に訴え続けつつ、この日の行動を終了しました。
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