フィリピンKMUリーダーへのでっち上げ逮捕弾圧に抗議を。アキノはでっち上げ事件、人権侵害をやめろ!
フィリピンではアキノ大統領の反人民的弾圧、人権侵害が強まっている。フィリピン国軍/警察軍と米CIA・米軍による労働者や人民の運動にたいする政治的軍事的弾圧にほかならない。要するに法的手続き、人権を無視した、なりふりかまわない、逮捕、拉致、強制拘束、令状発行、拷問、そして超法規的殺害が労働運動や人民運動の活動家に加えられているのだ。前アロヨ政権と軍部が多用した労働者人民への暴力弾圧は、アキノ大統領をしてやめるといわれていたはずだ。ここにきて、それが強まっている。KMUのISA=国際連帯会合でお世話になったKMU首都圏議長、ロイ・ベレス氏もでっち上げ逮捕令状が先日出された。許しがたいことである。世界中で労働者人民の闘いが前進するなか、各地で暴力的弾圧、でっち上げ、人権侵害が多発している。各地で連帯を強め、跳ね返していこう。抗議先であるフィリピン大使館は以下である。KMUの12月の主張を引用した。
抗議例
一、労働運動/人民運動のリーダー、活動家へのでっち上げ弾圧、不当逮捕、拘束、いやがらせ、拷問、超法規的殺害など、人権侵害をやめろ!
一、拘束された活動家を即時釈放しろ。
一、軍による違法な人権侵害をやめろ!
一、125ペソ大幅賃上げなど、労働者人民への生活、福祉を支援すること。
H.E. Ambassador-Designate Manuel M. Lopez / 全権大使 マヌエル・M・ロペス
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KMUの主張
アキノは労働者の諸権利に敬意を持たない――KMU
12月9日
国際人権デーの前日、労働センター「5月1日運動」は、アキノ政府がその前任者のトレードマークである人権侵害を継続して実施していると述べて、ロイ・ベレツ=KMUマニラ首都圏地域議長にたいする逮捕令状の発行を弾劾した。
ベレツは、さる4月29日のカマリネス・ノルテ州ラボ市において、反乱グループ・新人民軍により執行されたフィリピン国軍にたいする待ち伏せ攻撃を軸とする大量殺人罪を不当に課せられた32人のうちの一人である。
「あきらかにアキノ政府は、きらわれたアロヨ政権によって実施された人権侵害の諸形態の一つを適用している。それは、新人民軍の行動を論拠とするでっち上げ容疑を告訴することによって、活動家を攻撃している」とエルマー・”ボン”・ラボッグKMU議長は言った。
「ベレツは、労働者のリーダーであり、新人民軍の戦士ではない。我々は我々の指導者の一人にたいするこの攻撃を糾弾する。我々は、でっち上げ事件を即刻廃棄すること、この事件を原因としてすでに獄へ勾留された者たちの釈放を求めている」と彼は加えた。
告訴されたうちの二人、ランディ・ベガスとラウル・カンポサノは、さる12月3日、警察に連行され、カマリネス・ノルテ州ラボ市の獄に囚われている。
国際人権デー前日、労働センター「5月1日運動」は、ノイノイ・アキノ大統領政府を弾劾した。労働者の労働組合と人権への敬意を持たないことや、官房長官に前任者の暴力を実施し続けるよう命令しているからだ。
労働センターは、生存賃金、在職権の確保、自己組織化とストライキ権、これらすべてが1987年憲法によって保証されているのだが、アキノがこれらの労働者の権利が踏みにじっていることを訴えた。
「アキノはこの国の労働者の重大な諸権利を踏みにじっている。巨大な外資や現地資本家がいっそう大きな利益を追求し労働者の諸権利に無関心をしめているが、彼はそれらの忠実な下僕なのだ」とエルマー・”ボン”・ラボッグKMU議長は憤慨した。
「彼は、前任者の反労働者政策を維持し、これらの多くをさらに悪化させている。彼がこの前の選挙で「変革」を約束した時、この国の労働者の状況を考えていたのではなかった」と付け加えた。
独立系シンクタンクのイボン基金によれば、メトロ・マニラの最賃はもはやこの国で最も高いが、2011年の世帯生存賃金のたった40%でしかなく、2001年の50%から一段と低下した。
労働省により進められる、南タガログ地方では現存する最賃よりもさらに低い底値賃金の導入を意味している二層賃金制度(2TWS)によって、賃金の低下が進行中であると、KMUは語った。
「二層賃金制度をもって、アキノ政府は、労働者の状況を楽にするとか生存賃金を供与するとの美辞麗句さえも捨て去ろうと欲している。それは、資本家が労働者に快く支払うことよりもあきらかに優先する賃金の安値固定化制度を実施したいのだ」とラボッグは言った。
「大幅賃上げ要求を拒絶する時、アキノは、労働者の生存賃金の権利ではなく、他の国々の賃金水準を単に考えているだけなのだ。彼は、フィリピン労働者の生存条件を世界で最も過酷なものへと滑り落としながら、彼らの賃金が世界で最も低いものとなるよう欲している」と付け加えた。
2011年11月14日、ロサリンダ・バルドス労働長官は、2011年の一連の省令18に署名し、契約化(請負)雇用を合法化した。
アキノもまた、労働者の組合結成をさらに困難とする規制を維持し、いくつかの労働争議に関する司法権を横領するために労働省長官の権力を保持している。
「組合を結成しストライキを保持することが心配される限りは、それはこの国がいまなお戒厳令状態にあるということだ。労働者の自己組織化やストライキの諸権利を抑圧する法的手段がいまだに機能している」とラボッグはいう。
「労働者は、労働者の諸権利を抑圧しつづけるアキノに、いっそうの怒りを高めている。労働者のあらゆる形態の抗議が国中で噴出している」と付け加えた。
クリスマス前に賃上げ法案の通過を求めて、KMUは立ちむかう
12月11日
12月11日午前の記者会見において、労働センター「5月1日運動」は、このクリスマス・シーズンに労働者が受け取る最善の贈物のひとつが賃上げであるよう訴えて、クリスマス前に全国一律125ペソ(250円)賃上げを制定する法案の迅速な通過を国会議員に求めた。
飢餓の21%増加を示す社会気象局による第三四半期の調査を引用しながら、労働団体が言ったことは、労働者が日常的な物資やサービスの価格上昇からのいくつかの可能な即時救済策を緊急に必要としているということだった。
また国際労働機構(ILO)の「グルーバル賃金レポート」を引用しながら、そこでは、フィリピン労働者の賃金が多くの他の国々と比べて非常に低いこと、そしてフィリピン労働者の三分の一が世界の貧困ラインとしてある一日二ドル以下のままであることを述べている。
「125ペソ賃上げ法案の通過は、国会議員がこのクリスマスに労働者へ与えることができる最も良い一つの贈物である。それは、過去数年間で上昇した物価に賃金が追いつくことを可能とする方向として、一歩前進する」とエルマー・”ボン”・ラボッグKMU議長は語った。
「大幅な賃上げは、労働者たちに彼らの家族が必需品を買うことや幾つかの借金を支払うことを可能とする。国会議員が国内の労働者に意味あることを本当にしたいならば、彼らが125ペソ賃上げ法をすぐに通過させるべきである」と彼は言った。
労働雇用に関する下院委員会
KMUはまた、ノーザン・サマール選出のエミル・L・オング代議士=労働と雇用に関する下院委員会(COLE)議長を非難した。125ペソ賃上げもしくは下院法案375の通過と下院審議を迅速に行うことを拒否したことからであった。
オングが早い時期に労働者に語ったのは、法案へのルソン島全域協議が廃止されることができ、下院の労働雇用委員会がすでに法案に関する委員会報告を準備し、審議にむけ本会議へ法案を移すことができるということであった。と、労働センターは主張した。
この11月、オングはルソン島全域協議がいまなお必要であると言って、労働団体の突き上げにもかかわらず、それをアレンジすることに失敗した。
「労働と雇用の下院委員会議長は、彼が国内労働者のために最も重要な一つの法案に関して労働者寄りであることを示すのに失敗している。彼は125ペソ賃上げ法案を通過させずに第15回国会を終わりにしたいようだ」とラボッグは言った。
「国会議員が来年の選挙キャペーンで忙しくなるであろうこと、そして国会が選挙年の前の12月だけを生産的とすることを、我々は知っている。第15回国会がこの最も重要な立法のひとつを通過させること、いまこそがその時なのだ」と彼は付け加えた。
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