フィリピンKMU・ISA参加の報告
2014年 フィリピン KMU 第30回 ISA参加報告
①はじめに
4月24日~5月2日、第30回フィリピンKMU-ISAは、「ISAにおける労働者国際連帯の30年:教訓を引き出し、前に向かって進もう」のテーマの下で開催された。
②日程
4月24日 マニラ現地集合
4月25日~27日 地方視察は、台風被災地のビサヤ地方(レイテ島、サマール島)を訪問した。
4月28日~29日 ワークショップ「労働者は新自由主義と闘おう」
4月29日~30日 ISA会議
5月1日 マニラ・メーデー。
5月2日 現地解散。
③参加者 9カ国
- 日本(自立労連、AWC日本)
- オーストラリア(AMNU/製造業労働組合など)
- ドイツ(German-Filipino Friends)
- ネパール( GEFONT/ネパール労働組合総連合)
- アメリカ(Industrial Workers of the World世界産業労働組合、スターバックス労働組合)
- 中国/香港(Chinese Working Women Network)
- カナダ
- ベルギー
- デンマーク
④ビサヤ地方視察
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台風被災から6ヶ月たつが、復興が進んでいない。
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訪問組合は2か所。レイテ島イサベル町のフィルホス社(農薬の製造会社)の労働組合を訪問。サマール島ギワン(今回の台風被害の大きかったところ)の東サマール電力労働組合。それぞれタクロバン(レイテ島)から相当に離れているので、ビサヤ地方滞在中、多くの時間を移動に費やした。車窓から見る被災地は、椰子の木の先は無くなり、多くの家の屋根がシートで覆われていた。
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レイテ島イサベル町のレイテ工業団地内にあるフィルホス社の工場は台風被害を受け、操業を停止し、非正規職2000人は解雇。正社員の組合員も、会社が操業を再開するのかどうか不明で、不安を抱えていた(隣のパサール銅精錬所(日系企業の公害問題で知られている)は、被災後1ヶ月で操業を再開。残念ながらパサール銅精錬所は訪問できなかった。)。
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サマール島の東サマール電力労働組合と交流した。送電線のほとんどが被害に遭い、その復旧の仕事を行っている。「仕事はあるが、支援が無い」「以前は家1軒だったが、今はテント3つで生活している」などの被災状況の訴えがあった。
⑤ワークショップ、ISA会議
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ワークショップ、ISA会議。ワークショップでは、ISA参加者以外に、インドからもスカイプでの参加・報告が行われた。またISAは、30年ということで、海外の労働組合からビデオメッセージが寄せられていた。
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日本からの報告は、「団体紹介」「非正規職化」「賃金(最低賃金)」「国際連帯」など、プロジェクターで映して簡単に報告。
⑥KMUメーデーについて
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KMUマニラ・メーデーは、炎天下の中、朝から夕方まで行われる。マニラ市内の数か所の集合地点で集会を行った後、全体集合地点(ボニファッショ広場)までデモ。(海外ゲストは、ウェルカム・ロトンダからのデモで、約4キロ)。そこで集会を行い、改めて全部隊で、大統領府に向けデモ(約2キロ)を行い、メンジョーラの所で夕方まで集会を行った。
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集会・デモには、学校が休み期間であることもあり(5月1日それ自身も休日)、親が連れてくるので多くの子どもが参加していた。デモ中のコールは単純で、「賃金・引上げ、価格・引下げ」「全国一律125ペソ引上げ」など、単純なものであり、デモを沿道で見ていた子どもたちも、コールを上げていた。
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参加者は主催者発表2万5千人。
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KMUマニラ・メーデーは、KMU傘下の労働団体、バヤン傘下の各団体が発言に立った。ISA参加者も登壇し、代表してオーストラリアが発言。メーデーの最後は、KMU書記長の閉めのアピール、インターナショナルで締めくくられた。
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KMUは、マニラだけでなく各地方の主要都市でメーデー集会を開催している。
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マニラのメーデーは、KMU/バヤン系の組織力を示した。
⑦帰国後の支援要請など
NXP労組。5月5日にNXP労組の組合役員24名が解雇された。NXPは、オランダの企業で、世界トップ10の半導体メーカー。日本にも営業所、販売代理店企業がある。フィリピンの工場はラグナ州の工業団地内にあり、南タガログ地方におけるKMUの拠点労組の1つ。KMUの支援要請を受けて、労組からはメールを会社・フィリピン政府に対して送った。
(別項資料 参照)
◆資料1
フィリピンからの連帯メッセージ
フィリピンのKMU(「五月一日運動」全国労働センター)は、来る2014年国際労働者デーに熱い連帯の挨拶を送ります。
私たちはこの機会にみなさんにKMUへの長年にわたる連帯にお礼を申し上げます。希望と支援を下さりありがとうございます。私たちはフィリピンの労働者と民衆のために活動しぬくことを固く誓います。
私たちはみなさんの反帝国主義・民主的立場に敬意を表します。そして、私たちは皆さんが日本の労働者と民衆の民主的な闘争を続けておられることを誇りに思っています。
私たちは米軍基地に反対する皆さんのキャンペーンと団結します。フィリピンの労働者は昨日、オバマ米大統領のフィリピンをはじめとするアジアへの歴訪の最終日に際して米国大使館前での抗議行動を敢行しました。私たちは、昨日調印された、フィリピンにより大きな米軍の存在を可能にする新軍事協定(防衛協力強化協定と呼ばれる)に抗議します。オバマがフィリピンに到着する直前に、比・米両政府は米軍がフィリピン国軍の軍事施設を自由に利用できる行政協定を結びました。米国はフィリピンを再び占領することをもくろんでおり、カイライ政権であるベニグノ・“ノイノイ”・アキノⅢは米国によるフィリピンへの経済、軍事、その他あらゆる分野における支配を強化する政策を推進しています。
労働者の問題に関しては、私たちは労働者の賃金、雇用形態、労働組合の権利を侵害するアキノ政権を弾劾します。政府は労働者の日々の生活のための賃金の基準である最低賃金を廃止することを目論んでいます。最低賃金はフィリピンでビジネスを行う海外投資家を落胆させているというのが彼らの言い分です。最低賃金を守り値上げすることが求められているというのに、アキノはここ最近で最悪の大統領です。
小作農や農業労働者の問題に関しては、私たちはフィリピンの農園、特にアキノ家の所有する広大なルイシタ農園において農地改革の実行をアキノ政権が拒んでいることを弾劾します。ルイシタの農業労働者は、アキノ一族によって搾取され、土地なしの貧しい状態を強制されたままです。彼らはルイシタ農園での共同の権利を主張しただけで、軍隊の支配と残酷な弾圧にさらされています。私たちは、このルイシタの農業労働者はじめ、全国すべての小作農のために土地と正義を要求して闘い続けます。
私たちは、私たちの闘争を繰り広げると共に、アメリカ帝国主義とそのカイライ政権の攻撃に対して闘い続けるみなさんはじめ全ての団体と団結して闘います。
私たちは皆さんの現在のキャンペーンが成功し、戦闘的な闘争が繰り広げられ、みなさんの運動が労働者階級に広がり強化されることを願っています。みなさんのご活躍を祈ります。帝国主義に反対する世界の労働者民衆との団結が続くことを願っています。
日本の労働者民衆 万歳!
(Mabuhay ang mga manggagawa at mamamayan ng Japan!)
米帝国主義と全ての反動政権を打倒しよう!
民族の解放と社会の解放の闘争を前進させよう!
フィリピンKMUからの支援要請 英文 Support the workers of NXP!について
ア)要請は、
「NXPセミコンダクターズ」のフィリピン、カブヤオ工場(ラグナ州)の労働組合 NXP Semiconductors Inc. Workers’ Union (NXPSCIWU-NAFLU-KMU).が賃金引上げ交渉をしている最中、5月5日に組合役員24人が解雇された。
要請メールを、会社と労働雇用省に。抗議行動を、5月19日と26日に行うので組織化を。
イ)組合(会社訪問)
KMUの拠点労組の一つで、工業団地Light Industry and Science Park 1(LISP 1)内にある労働組合です。
ウ)国際的な取り組み
今、以下のサイトでも会社代表と労働長官宛てにメールを送ることができます。
http://www.labourstartcampaigns.net/show_campaign.cgi?c=2298
エ)日本の営業所
会社の日本語サイトは、こちら
http://www.jp.nxp.com/
NXPセミコンダクターズジャパン
http://www.jp.nxp.com/about/sales-offices-distributors.html
営業所も日本にあります。販売代理店も何社もあるようです。
東京本社
〒150-6024 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー24階
Tel:0120-950-032
Fax:03-6732-7947
nxp-j.support@nxp.com
大阪支店
〒530-0014 大阪市北区鶴野町1-9 梅田ゲートタワー9階
Tel:0120-950-032
Fax:06-7731-5330
名古屋営業所
〒450-0008 愛知県名古屋市中区栄2-4-18 岡谷鋼機ビルディング3階
Tel:052-684-7077
Fax: 052-684-7078
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