先月の日比合同軍事演習に続き、先日の6/22からフィリピンの沖合いで米日比の海軍の合同軍事演習が始まりました。(米比・日比の合同演習を重ねるかたちで)。これに抗議するフィリピンBAYANの声明です。
日本でも報道されているように、今月初めのアキノ来日の際には日比での訪問軍協定(地位協定)の締結に向けた具体的な作業を進めていくることが確認されています。これらに対するBAYANと連携したたたかいを進めていく必要があります。
米日比海軍演習に反対する
Oppose the US-Japan-Philippine naval exercises
プレス・ステートメント
2015年6月22日
米国と日本は、この地域において強まる米国の介入と日本の軍事化の高まりを正当化するために、フィリピンと中国の間の紛争を利用している。
フィリピン民衆は慎重にならなくてはならない。なぜならば、米国、日本、フィリピンの間で進行中の軍事演習は、アジア回帰の一部としてこの地域に米国の軍事力を投射するための策略に他ならないからだ。米国は中国に対するエセ「統一戦線」を演出することによって、中国と係争しているフィリピンを利用しているに過ぎないのだ。
この海軍演習は、この地域における米日帝国主義の利益を促進するものとなる。この二つの大国はフィリ ピンの主権や領土保全のことなど気にかけてはいない。
中国に対する領土・領海をめぐる主張について、フィリピンと日本の状況はまったく異なるものである。釣魚諸島の領有権に関する日本の主張は疑わしいものである。というのも、釣魚諸島は1894年から95年にかけての日清戦争の後に戦利品として日本に属することになったからだ。日本が第二次世界大戦後に他の帰属領土を返還したのと同様に、釣魚諸島は正当にも中国に返還されねばならない。しかし、日本はそうすることを拒絶しており、米国はその主張を支持している。
他方、スカボロー礁(パナタグ礁)やミスチーフ環礁その他の諸島についてのフィリピンの主張は合法的なものである。その排他的経済水域につい てのフィリピンの主権もまた、合法的なものである。日本とは違って、フィリピンはそうした主張に関する米国の支持を得ていない。米国はフィリピンへの米軍基地の舞い戻りと駐留部隊の数の増大を正当化するために、フィリピンの主張を支持しているふりをしているだけだ。
米国の条約上のパートナーとして、日本はこの地域における米国の軍事的傘の一部となっている。日本はその国境の外部で自らの軍事力を誇示しようとしているが、それは米国のジュニア・パートナーとしてのものにすぎない。安部政権は現在、広範な日本の民衆の反対にもかかわらず、アジア・世界に日本の軍事力を見せつけつつ、より積極的に米国と活動を共にできるように、平和憲法の条項を改悪しようとしてい る。
フィリピンは米国の介入と日本の軍事化の高まりを拒絶しなければならない。今回の海軍演習それ自身はフィリピンの対外防衛能力をほとんどまったく発展させない。フィリピンは米国と多くのことをしてきたが、軍隊はいまだ低レベルのものであり続けている。相互運用性を高めるという明らかにされている目標は、米国や日本と比較したときのフィリピン海軍の後進性を考慮したごまかしである。すべてを勘案すれば、われわれは単に二つの大国の地政学的な利益のために利用されているにすぎない。
中国に対抗するためには、フィリピンは自国の経済・防衛能力を発展させ、米国、日本、その他の帝国主義諸国の指図から独立しなければならない。それらの大国に依存 し続けることは、中国の侵入に対してわれわれの主権を守る能力を掘り崩すものなのである。###