新安保法案に反対する国際共同声明
共同声明:
アジア太平洋地域の民衆は日本の新安保法案に反対する!
私たちアジア太平洋地域の民衆は、安倍政権の下で急速に進む日本の再軍事化に反対する。私たちは現在日本の国会で審議中の新安保法案の廃案を要求する。
安倍政権がさる5月15日に提出した新安保法案は、新設する「国際平和支援法案」と10の既存の安全保障関連法制の改定案からなる。安倍政権はこれによって日本の安保・防衛政策の歴史的転換を図ろうとしている。すなわち、「専守防衛」政策を最後的に放棄して、集団的自衛権の行使を口実に、米国を筆頭とする同盟国とともに、海外での侵略戦争・軍事介入を推進する国へと日本をつくりかえようとしているのだ。
この新安保法案は、必要であればいつでもどこにでも自国の軍隊を派兵できる態勢をつくりたいという日本の支配階級の意志の反映である。それは当然にも「戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」をうたう日本国憲法第9条に違反する。それゆえ安倍政権は、新たな安全保障法制の制定に続き、この数年のうちに憲法第9条そのものを改悪することさえ狙っている。
同時に、日本の新安保法案はアジア太平洋地域への軍事的「リバランス」(再均衡)を進める米国の軍事戦略に奉仕するものだ。さる4月27日には「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)が再改定された。それは日本による集団的自衛権の行使を前提にして、日米両軍の共同作戦計画をいっそう強化・発展させようとするものであった。新安保法案はそのための法的根拠を提供しようとするものでもある。
安倍政権は、中国や朝鮮民主主義人民共和国の動向を「地域の脅威」として煽り立てることで、新安保法案への民衆の支持を取りつけようとしている。しかし米国のリバランス(再均衡)戦略と日本の再軍事化の動向こそが、アジア太平洋地域における政治的・軍事的緊張を高めている主要因なのである。日本は米帝国主義のジュニア・パートナーとしての役割を演じるとともに、その軍事力をもって米国のアジア回帰を支援している。日米はフィリピンとの間で合同軍事演習を開始しており、日比訪問軍協定の締結や将来の軍事基地の設置さえ検討している。
前世紀において、日本帝国主義はその植民地支配、占領、侵略戦争によって、アジア太平洋地域の数多くの民衆に筆舌に尽くし難い犠牲をもたらした。にもかかわらず安倍政権は今日、歴史を改ざんし、日本帝国主義の侵略の歴史を美化しようとしている。首相自身や閣僚らの靖国神社参拝はかれらの帝国主義的野望を端的に示している。そのような人物たちが推進する新安保法案に私たちは断固反対する。日本政府がなすべきことは、再軍事化ではなく、日本の侵略の犠牲となった人々への公式謝罪と国家賠償のすみやかな実施である。
私たちは、新安保法案に反対し、国会を包囲してたたかっている日本の民衆を支持する。同時に、日本の再軍事化と米日軍事同盟の強化に反対するアジア太平洋地域の民衆の声と行動を更に拡大するために共同でたたかう。
日本の再軍事化反対!
新安保法案を廃案へ!
安倍政権の歴史改ざん反対!
米日軍事同盟粉砕!
2015年6月24日
署名:
- AWC韓国委員会
- 中国・台湾労働人権協会
- フィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)
- インドネシア社会文化研究所
- ANSWER連合-米国
- BAYAN日本支部
- ミグランテ日本支部
- アジア共同行動(AWC)日本連絡会議
賛同(2015年7月8日現在):
- 全国民主労働組合総連盟(民主労総/韓国)
- 平和と統一を開く人々(韓国)
- 左派労働者会(韓国)
- アルバ労組(韓国)
- 青年左派(韓国)
- 国際民衆闘争同盟(ILPS)コリア・グループ
- 中国・台湾労働党
- 両岸和平発展論壇(台湾)
- 夏潮聯合会(台湾)
- 新移民労働権益促進会(台湾)
- 台湾地区政治受難人互助会
- 台湾反帝学生組織
- レイチェル・コリー紀念パレスチナ情報網(台湾)
- 台湾社会科学研究会
- AGHAM(民衆のための科学者・技術者集団/フィリピン)
- ミグランテ・インターナショナル(在外フィリピン人の国際的連合組織)
- インドネシア労働組合連盟(GSBI)
- インドネシア民衆闘争戦線(FPR)
- 国際民衆闘争同盟(ILPS)インドネシア支部
- フィリピン問題センター(カナダ)
- 国際民衆闘争同盟(ILPS)カナダ支部
- パックス・ロマーナICMICA(知識・文化問題に関する国際カトリック運動)
- ノース・サウス・イニシアチブ(南北交流に関する国際ネットワーク)
- 「基地をなくせ!」ネットワーク(在外米軍基地に反対する国際ネットワーク)
- 米日のアジア侵略・支配に反対するアジア・キャンペーン(AWC)
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