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8・25南北合意に関する「平和と統一を開く人々」(ピョントンサ)の論評


8月25日の南北合意に関するピョントンサの論評を訳出しました。


【論評】南北高位当局者間での「合意」を歓迎する!

  1. 私たちはまずもって2015年8月22日から25日まで板門店で開催された南北高位当局者の接触が、破局を回避し「合意」に達した事実そのものを大いに歓迎する。

  2. 私たちはまた、今回の「合意」で地雷事件と砲撃事件によって作り出された南北間の極端な軍事的衝突の危機が鎮静局面へと持ち直し、南北関係の改善と交流・協力を強化していくことができる転機を作ったという点でも心より歓迎する。

  3. しかし私たちは、今回、南北関係が極限的対決へと登りつめることになった原因を提供した地雷事件を、南北が互いに自分に有利に解釈することができるように曖昧に繕ってしまったことに対して遺憾に思う。

    『…南側地域で発生した地雷爆発で南側軍人が負傷した』ことという表現は、北は北で、地雷事件は自分たちが起こしていないと主張できる根拠になり、南は南で、北側が地雷事件を起こしたと主張できる、薄められた表現に他ならない。

    「合意」を引き出すための仕方ない選択だったと理解するとしても、これは真相究明とそれにともなう責任糾明・再発防止を放棄したものであり、南北が互いにこれを政治的に利用できる素地を与えている。

  4. 私たちはまた、今回、南北関係が極限的対決に登りつめることになったもう一つの原因を提供した砲撃事件に対して、南北が何の言及もしていないことに対しても、はなはだ遺憾だと言わざるをえない。砲撃事件こそ、南北を戦争の一歩手前まで追いやった出来事であり、必ず真相究明とそれにともなう責任糾明・再発防止のためプランを明らかにしなければならなかったはずだ。

    北側は先制砲撃はしていないと主張し、南側は北側の先制砲撃に対応して砲撃をしたと主張している状況にあって、はっきりしていることは、先制砲撃をした側が存在するということであり、したがって先制砲撃をした側は極限的危機を作り出したことに対する謝罪とともに、応分の責任を負わなければならない。

  5. 合わせて私たちは、今回の合意に5.24措置(注:天安艦沈没事件を理由とした李明博政権による南北交流・協力の中断措置)の解除と金剛山観光の再開、開城工業団地の活性化など、南北交流・協力を拡大できるプランを盛り込むことができていない点に大きな物足りなさを表明せざるをえない。南北交流・協力の拡大は、南北間に極限的軍事的対決局面が作り出されることを未然に防ぎうるという点でも、以後、当局者会談を通して優先的に解決されるべき課題だ。

  6. 最後に、南北間の軍事的対決を終わらせることができる根本的な方法は、現在の不安定な停戦状態を平和状態へと切り替えることだ。このために、今後進められる南北会談が、朝鮮半島平和協定の締結と非核化のための朝米会談、6か国会議の再開の牽引車になれるよう期待する。

2015年8月25日

平和と統一を開く人々
(常任代表 ムン・ギュヒョン)

 

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