6・3(金)経産省抗議行動の報告
経産省前テントひろば1728日目の6月3日、毎週金曜日の午後5時からの経産省抗議行動は、この日、14時~16時に行われた院内ヒアリング集会での経産省・資源エネルギー庁の官僚答弁の無責任さとデタラメさへの怒りをもって、コールから始まりました。「原発いらない!川内原発、いますぐ止めろ!伊方原発再稼働反対!」を経産省に叩きつけました。参加者は約50人。
司会の高瀬さんは、ヒアリング集会での原発政策の安全とか人の命について納得できないこと、原発からの撤退、核燃料サイクルからの撤退の根本的な転換がないならばテントは引き続きたたかう決意を新たにしたと、アピールしました。
はじめに発言に立った淵上さんは、これまで2回もドタキャンにあったが、経産省、文科省、環境省、規制委員会など総勢約20人程の役人が出席して面談ができたことは闘いの反映だと訴えました。しかし、2時間では内容を詰めることはできなかったと、残念がった。官僚の回答は、どこかに一度書いてあるもので原発の安全を第一にするが、「安全性を前提にして」は枕ことばとして、原発の根本問題を第2、第3の課題に後退させ、領域を狭くして手ぬきをしていくと、批判しました。とりわけ川内原発が免震重要棟をつくることで規制委員会の審査をパスしたのに、免震重要棟建設を撤回して耐震構造支援棟でゴマカスことを認めた規制委員会を許している経産省の無責任を弾劾しました。さらに、経産省・エネルギー庁と我々の安全性に対する考え方が、根本的に違うということ、すなわち安全性を無視して原発を運転するという経済優先を再確認したと、怒りを持って安全性のペテンを暴露しました。
1分ぐらいしか時間をもらえなかったFさんは、福島3号機核爆発について確信をもって訴えました。東電は、「水素爆発にしておきましょう」と追及をかわしています。経産省も、規制委員会もそれを踏襲している。問題意識はあるが、東電はメルトダウンを5年後に認めたように、10年後に3号核爆発を認めるといくのか!チェルノブイリは核爆発だった。3号機核爆発が起こったとすれば、全ての原発を止めなくてはならない。規制委員会は抜け穴だらけで原因究明事故対策がなく、原発を再稼働していると追及しました。原因究明がなされなかったことは徹底的に糾弾しました。
テントを守っている女性のひとりは、ヒアリング集会に参加した感想を、「この人たちは、私たちとかけはなれたところにいる」と。もんじゅは20年になるが、事故があっては止まり、事故があってはまた止まりを繰り返しできたのに、5千万円もかけるのか!?もんじゅは96%の核兵器用プルトニウムを創り出す。目的は核武装しかない。いいかげん嘘と幻想は止めなさい!血税の無駄使いはやめなさい!と、経産省などの役人を糾弾しました。
たんぽぽ舎の柳田さんもプルトニウムともんじゅの共通項は、核武装で貫かれていると明言。もんじゅは普通の原子炉ではない。47トンのプルトニウムは何千発の核兵器になる。憲法9条は、核を否定していない。根底にあるものは、日本が核武装したい野望で、中曽根以来脈々と流れている。何故、原発にこだわるのか?!核燃料サイクルは破綻していながら、もんじゅとプルトニウムの共通項である核武装を批判しよう。
二つ目は、熊本地震で、川内原発を即刻止めさせなくてはならない。今朝は震度3の地震。余震の震度1が1600回。5年前、菅首相は浜岡原発を止めたが、安倍首相は川内原発を何故止められないのかと、糾弾しました。そして、九州の人々の声に応えて川内原発いますぐ止めろ!7月、伊方原発再稼働反対のたたかいをもりあげて連帯していこうと、呼びかけました。おわりに、破局的大惨事にであうことないようにがんばろう!と、しめくくりました。
その他にも数名の方が発言しましたが、福島の惨状を私たちに、切々と力強く訴えた黒田節子さんの叫びは深く胸に残りました。次のものです。
「福島は放射能がなければどんなによいか。(おだやかな自然の美しさのなかで)再稼働絶対ありえない。絶対反対と、怒りを込めて叫びました。日々、放射能をあび続けている福島。皆さんに聞いてもらいたい。福島県は政策として、町へ村へ帰りなさい。命を少しづつ削れば、わずかな保障をしてあげますと。経済的に大変で、帰らざるを得ない状況に追いやられている。子どもたちの甲状腺ガンが、県発表で166人だが、18才以上の人々は、大人は、どうなのか?この何倍か?甲状腺ガンだけではありません。甲状腺ガン検査だけでなく、きちんとした検査をしてほしい。ところが、安心・安全キャンペーンが、毎日ぐらいほんとうに流されている。例えば、①荒れ果てた畑を再び耕すために、汗を流して始めている人を感動的に。②高校生の部活で、0.1シーベルト。ちょっと外れた所で、0.6。まじめな高校生はまあこのくらいならと。『あんたたち、これ以上そこに居たらダメなんだよと、私は叫びたい。』、③国道6号線に聖火ランナーを走らせたり、さまざまなやり方で、放射能被害を過小評価している。あるいは、何もなかったかのように圧倒的にしている。何ということか!29年前のチェルノブイリ。問題ありながらも日本よりも貧しい国が、国の力で子どもを避難させた。日本は、真逆なことをやっている。県内8割の管理区域の中で、子どもたちが日々すごしている。あの国で、市民グループが一生懸命国に働きかけてできた『チェルノブイリ法』を日本でも作って、子どもたちを安全なところで教育を受けさせたい。5年が経ったが、被ばくの問題では始まりだ。おそらく何十年後に現れる。恐ろしい思いでいっぱいだ。ウクライナでは子どもたちが不調を訴えている。28年経っても、放射能汚染は恐ろしい。東京の皆さん、聞いて下さい!福島から来ています。フクシマを知ってもらえるならば、再稼働あり得ない。フザケルナ!福島の人は黙っていない。伊方原発を止めたい。人ごとではありません。即刻原発を止める他ありません。福島は諦めるわけにはいきません。皆さん、いっしょにやっていきましょう!目標が同じなら先のことを考えて、小さなことにこだわっていたら、いつまでも勝てません。子どもたちのその先のことを考えたら、即刻止めよう!原発いらない。原発止めろ!川内止めろ!伊方原発再稼働反対!」
AWC首都圏幹事:高槻民枝
《資料》
【案内】院内ヒアリング集会
「川内を止めず、伊方まで再稼働するという、原子力推進の矛盾を問いただす
~熊本大地震が続いているぞ! 日本全国どこでも大地震が起こるぞ!~」
日時:2016年6月3日(金) 13時半~16時半
場所:参議院議員会館101会議室(1階)
対象:経産省・資源エネルギー庁・文科省ほか(14時~16時)
主催:経産省前テントひろば
紹介:参議院議員 福島みずほ事務所
テーマ:(1)電力自由化と電源構成、(2)「エネルギー基本計画」と「40年ルール」、(3)核のゴミ問題、(4)福島第一原発事故の責任問題、(5)原発の再稼働問題
3.11東電福島第一原子力発電所事故が起こって既に5年経ったが、福島には未だに10万人の方が避難生活をし多数が仮設住宅に住み自死する人も出ている。除染は移染にすぎず、多くの人びとがふるさとも生活も仕事も奪われてしまった。住民の健康被害も心配で、既に166人の小児甲状腺がんも確認された。一方、イチエフには100万トンを超える放射能汚染水が貯まり海洋汚染を続ける中で太平洋への大々的放出が目論まれ、コントロールもブロックもできていない。そればかりか1号機~3号機の核燃料の状態は掴めず廃炉への道も全く見えない。そんな中で、年間20mSv以下の地域への帰還が住民に強要されている。
このイチエフ事故の責任を誰がとったでしょうか?
東電も経産省も自民党政権も事故の責任をとっていない。そればかりか、原発が「安全である、安い、無いと電力が足りない」が大嘘であることが明らかになったにも拘らず、東電は柏崎刈羽原発の再稼動を目論み、安倍政権・経産省・資源エネルギー庁は2014年4月に原発をベースロード電源とする「エネルギー基本計画」を閣議決定して原発の再稼働と原発の輸出を推進している。
2011年9月に経産省の敷地のポケットパークに設立した「経産省前テントひろば」は、福島の被害者たち、脱原発を訴える全国の人たち、また世界の人々に支えられて1700日間、日夜脱原発・再稼働反対を訴えてきた。
残念ながら、安倍政権は私たちの訴えを退けようと立ち退きと使用料を請求する正にスラップ訴訟を起こした。私たちは裁判で経産省政策の不当性とテントひろばの正当性を訴え続けているが、東京地裁(2015年3月)も東京高裁(2015年10月)も立ち退きと高額の使用料支払いを命じる不当判決を言い渡した。今最高裁で係争中だ。
そんな中で私たちは毎日同じ敷地内にいる経産省・資源エネルギー庁を国会議員会館に呼び、5年間の彼らの不当な行政を追及する。既に2つの抗議・質問書(A、B)を4月に提出した。
これらの質問の回答を得ながら、(1)電力自由化と電源構成、(2)「エネルギー基本計画」と「40年ルール」、(3)核のゴミ問題、(4)福島第一原発事故の責任問題、(5)原発の再稼働問題に焦点を当てて、ヒアリングする。
多くの方々とともに、経産省に対して、原子力政策の矛盾を問い質したい。
是非ご参加を!
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