アジア共同行動・日本連絡会議

日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

日本連絡会議ニュース

 

 

 

8・6広島青空式典、日韓同時行動で開催! 核・戦争・差別・貧困の無い社会へ!


原爆ドーム隣で、8・6広島青空式典が行われました。

被爆二世の会から冒頭、基調提起がおこなわれました。その要旨は次のものでした。

オバマ米国の大統領の広島訪問では、岩国基地に立ち寄り、「日米同盟の強化」が訴えられ、「天から死」など抽象的で、謝罪もなく、説得力がまったくなくものだった。いまも被爆者が苦しみ、この地には、原爆投下当時の骨や生活があって、そうした犠牲者の叫びがあり、これに答えていない。亡くなった多くの被爆者、71年たっても終わっていない。30万人を超える犠牲者、被爆者手帳をもとめる被爆一世の動きが続いている。差別されている。福島原発も収束せず。被曝労働者が続く。上関の新規建設が狙われ、再稼働が伊方でも、すべての被爆者、被曝者にたいする放射能の影響を許さず、ともにたたかおう。安倍の憲法改悪を阻止し、沖縄、岩国、韓国、フィリピンの基地撤去、アジア民衆の共 同の力で、とりくもう。本日、日韓同時行動、韓国の多くの仲間と、核のない社会をかちとっていこう。

プログラムに掲載された基調の冒頭には、次のように訴えられています。

「はじめに、・・2016年5月27日、米国のオバマ大統領が被爆地・広島を訪れた。原爆を投下した米国の大統領が被爆地を訪れるのは初めてである。オバマ大統領が被爆者と抱擁するシーンをみて感動された方もあるだろう。しかし忘れてはならない。オバマ大統領は被爆地を訪れる前に米軍岩国基地に立ち寄り、米兵と自衛官に「日米同盟の強化」を訴えている。被爆地に来て謝罪もせず、原爆を落とした道義的責任の言及もなかった。被爆者問題を終わったことにし、新たな米軍再編を行おうとする日米両政府を許してはならない。アジアの民衆と共に真の平和をつくりだそう!

2013年より8・6広島青空式典は韓国の平和団体との共同行動の取り組みとなる。

○反戦平和

「戦争」「平和」今、この言葉が揺れている。「平和」や「安全」という言葉をまとい、戦争が準備されているからだ。

安倍政権は、多くの反対の声を無視して、2015年に集団的自衛権行使を容認する安全保障関連法を成立させた。安倍首相は「積極的平和主義」によって、「自国のみならず国際社会の平和と安全の実現のために、能動的・積極的に行動を起こす」と主張しているが、その実態は、世界中の戦争で米国と協力する、日米間のグローバル化だ。私たちの思いに反して、日米同盟は着々と強化されている。日本の国内法整備に限らず、自衛隊の海外派兵の常態化であり、米軍再編だ。日米両政府は、沖縄・辺野古の新基地建設や米海兵隊岩国基地への2017年度中の部隊増強計画=東アジアの米軍基地への転換を強引に進めている。

そして、先のオバマ大統領の広島訪問もその一環だ。原爆を投下した責任を曖昧にしたまま、『核なき世界』と日米同盟の強化が打ち出された。こうして「被爆者とアメリカ政府の歴史的和解」が演出された。

日米が共同で武力行使して相手を制圧していくことは「平和」か? 世界各地に展開する米軍は「平和」を生み出したか? 否だ。

多くの市民は騙されていない。「戦争反対!」「アベ政治NO!」を掲げ、これまでにない多くの人々が国会周辺や街頭に飛び出している。平和学でも、単に戦争がない状態を平和と考える「消極的平和」に対して、貧困・抑圧・差別などの構造的暴力がない状態を平和と考えることを「積極的平和」と定義している。沖縄で、岩国で、京都で、首都圏等で、在日米軍基地強化反対運動は粘り強く取り組まれ、米軍再編が完了する目処は立っていない。・・・

まだ間に合う。平和憲法を活かそう。アベ政治を終わらせよう。隣人・アジアの人々・全世界の人々と手をつなごう。そして差別も貧困もない平和な社会を実現しよう。小さなことでもいい、意思を示し、できる行動をしよう。」

以下、項目を記します。「○被爆者問題 ・・・ ○被爆二世・三世問題 ・・・ ○原発問題 ・・・ ○核をめぐる現状 ・・・ ○まとめ ・・・・」

そして「あじあんさん」から、ギターと歌がありました。平和活動をしていた永六輔さんが亡くなりました。このことを偲んで、「上をむいて歩こう」も歌われました。みんなで手拍子やハーモニーして歌いました。

AWC韓国委員会ホ・ヨング代表の連帯メッセージが読み上げられました。(文末に掲載)

各団体個人の発言が続きました。最初に、アジア共同行動日本連の仲間がアピールしました。オバマ広島訪問を弾劾し、日米の新たなアジア侵略戦争の策動に抗議し、安倍政権打倒を訴えました。高江ヘリパッド着工阻止・辺野古新基地建設阻止の沖縄解放闘争、8・21岩国国際デー、12月岩国現地行動の訴え。被爆者解放闘争の「核と人類は共存できない」地平をもって、川内原発停止、伊方再稼働阻止を闘うこと。韓国、フィリピンとの国際連帯。そして障害者への差別と抹殺の大量殺戮事件を弾劾し、差別と闘うなかま、労働者、若者とともに、差別排外主義を強化し、危機を深める日米帝国主義を打倒しようと、アピール。

AWC関西青年部は、昨年の「人間ではなく原子力産業に死を」として「青年青空宣言」を発したこと、岩国米軍基地反対、京丹後の米軍Xバンドレーダー基地反対の闘いを報告しました。自衛隊海外派兵阻止で手をとり合って、たたかうと発言。人間が人間らしく生きる社会へむけて、たたかうとよびかけました。

韓国の青年たちがソウルで広島青空式典に連帯し、行動しています。その一環として、韓国の訪日団・三団体がここに結集しました。

緑のネットワークからは、2011年3・11の福島原発事故から、ショックをうけたこと。3・11が自分たちの問題であり事件であると捉えたそうです。核と戦争が一体化している現実を訪日や福島現地で把握できた、と。被爆・被曝の被害者にたいする折り鶴を折ってきた。脱核・反核のたたかいを国際連帯ですすめると決意しました。

青年緑の党の高校生からは、みなさんとともに、核を許さず、たたかうとアピール。

労働者政治勢力のかたは、岩国基地、アジア最大の米軍基地へ再編、これに反対して闘い、アジアで平和を願い闘うことを話しました。韓国では原発25基が動いているが、今後50基まで増やす策動があること。これに反対する、と。71年前は、日本民衆も韓国の民衆の何もしなかったが、今は違う。戦争と核は、同じ火の中から出てきた同じ悪魔。反核と戦争反対をたたかう。労働者政治勢力は戦争も核もない社会をめざし闘う、と述べました。

大阪で教育労働者をする被爆二世の方が、飛び入りで発言しました。被爆者・二世の国家補償をもとめ、韓国の被爆者と連帯し、運動をすすめるとアピールしました。

AWC福岡から。安倍の沖縄・高江ヘリパッドや辺野古新基地にたいして、AWCは許さない、と。福岡県警が高江で弾圧。毎週、福岡県庁前で抗議行動をたたかう。12月、岩国現地行動へたちあがろうと訴えました。

山口の総がかり行動・「1000人委員会」から。参議院選挙で、纐纈さんで闘う。すごい前進した。ところが、山口県庁が上関原発建設の埋め立て許可を突然行った。反戦平和、反原発をすすめ、上関原発建設を阻止へ、と話しました。

山口連帯労組から。同じく纐纈さんの選挙は大成功した。戦争法廃止、改憲阻止で、18万を獲得した。総括では、纐纈さん本人が「これからが大事だ」と、さらなる闘いをよびかけた。一方、上関の埋め立て工事許可が出た。国から引き続き大事な工事なので、と。上関原発の阻止をたたかう。岩国基地強化に反対し、基地の撤去をたたかおう。

やまぐち障害者解放センターから。安倍とオバマの広島訪問を弾劾する。毎月19日の戦争法廃止のデモと集会に参加してきた。岩国行動に参加。原発反対で伊方再稼働阻止を闘った。いままでも障害者への差別が存在。7・28相模原施設で19名が殺戮された。同じ障害者として怒っている。おくやみをしたい。精神障害者への攻撃、許せない、人権抑圧だ。平和で差別のない社会を闘っていきたい、とアピールしました。

憲法を活かす市民の会・やまぐち。毎月、岩国基地撤去の座り込みを行う。2017年の基地大強化で、核攻撃のできる戦闘機が配備される。基地強化で岩国の利権が強まる。オバマは核ボタンを携えて、「折り鶴」をもってきた。現在の最大の脅威は日米軍事同盟だ。オバマは謝罪せず、金を与えて、誤魔化している。日本政府は被爆者や民衆やアジアにたいして謝罪していない。安倍を許している、その責任が日本の民衆にはある。いのちを大事にする闘いをすすめよう。とよびかけました。

さいごに。やまぐち障害者解放センターの方が、閉会を宣言しました。

次のスローガンをシュプレヒコールしました。

  1. すべての被爆者・被爆二世・被爆三世の国家補償を勝ち取ろう!
  2. 日本政府はアジアの戦争被害者に謝罪と補償を行え!
  3. 日本の核武装を許さず、世界中から核を廃絶しよう!
  4. 上関原発建設に反対しよう!
  5. 日本政府は原発被曝者に国家補償を行え!
  6. すべての原発の再稼働を許さず、廃炉にしよう! 原発の新設、増設、輸出を阻止しょう!
  7. 平和憲法と基本的人権を守るために憲法改悪を阻止しよう!
  8. 安保関連法を廃止しよう!
  9. 愛宕山の米軍住宅建設やめろ! 辺野古の新基地建設やめろ!米軍再編に反対し、すべての米軍基地をアジアから撤去しよう!
  10. アジアの仲間と共に平和を実現しよう!

AWC韓国委員会からの連帯メッセージ

人類の災禍、原子爆弾の投下から71年を追悼する

―8・6青空式典にあたって

広島と長崎に人類初の原子爆弾が投下されて71年という歳月が流れた。これまで人類が経験してきた自然災害を除いては、短時間の内に最も残酷な災禍を見せつけた。それで終わりではなかった。今も被爆二世三世の苦痛は続いている。

人類自ら、残酷で具体的な核の災禍を経験したにもかかわらず、核を通じた火遊びは継続されている。死の災禍という強力な警告にもかかわらず、核開発は拡散し続いている。

アメリカと旧ソ連の間で、戦略兵器削減条約(START)によって、それぞれが保有していた1万個以上の核弾頭をそれぞれ5千個に減らし、2000年代後半からアメリカとロシアは核兵器の80%削減を推進してきた。バラク・オバマは2008年4月、「核兵器なき世界」を掲げて、ノーベル平和賞を受賞した。

アメリカとロシアは2010年、「新戦略兵器削減条約(新START)」を締結したが、核兵器の削減はたいして実現されていない。むしろアメリカは、今後30年間に約1兆ドルを投じて核兵器現代化を推進するというマスコミ報道があり、ロシアもまた核兵器の現代化を推進している。

これに対応して、中国とインドもまた核兵器開発に拍車をかけている。核拡散防止条約(NPT)は守られないでいる。もっともNPTそのものが、核の強大国だけが核を保有することができるという不平等条約だ。NPTではなく、「核廃棄条約」を結ばなければならない。

核は軍事帝国主義の必然的結果だ。通常兵器では核に対抗できないという、いわゆる「非対称性」を克服するために核兵器開発は続いている。核を保有していなかった国家も、原子力発電所の稼働を通じてプルトニウムを生産・保存しながら核開発の野心を燃やしている。今日、地球上に存在する核兵器は、71年前に広島と長崎に投下された原子爆弾とは比較にならないほどの破壊力をもっている。

第二次世界大戦という帝国主義侵略戦争の戦犯国家である日本は、広島、長崎の原爆の災禍を経験しながらも、再び帝国主義としての復活を夢見ている。好戦的な安倍政権は、自公の議会内の優位を通じて戦争法を通過させ、この間の参議院での圧勝で虎視眈々と平和憲法9条の改悪まで試みようとしている。

福島原発の爆発事故から5年が過ぎた今、原発再稼働と原子力発電所の輸出を推進している。日本をアメリカの軍事基地にしつつ、日米同盟を強化している。東アジア地域にアメリカの軍事力を集中させ、中国包囲戦略を強化する中で、軍事的緊張が高まっている。この地域内の原子力空母、原子力潜水艦、核弾頭搭載の戦略爆撃機、核弾頭ミサイル、原発などは、核の地雷原となっている。

しかし人類は核と共存できない。核とは、すなわち死だ。だから反核を超え、脱核を主張する運動を継続していかねばならない。71年前、広島に人類の災いである核爆弾が投下された。今日は、被爆二世、学生、労働者、障害者が集まり、反戦・反核・反原発・被爆者解放のための青空式典が開かれている。放射能混じりの黒い雨の降る空ではなく、平和の青い空を希望する。今日、韓国と日本で開かれる「青空共同行動」を支持し、ともに闘います。

2016年8月6日(土)
AWC韓国委員会代表 許栄九(ホ・ヨング)

関連資料

» 8・6広島へのAWC日本連アピール(PDFファイル・約302KB)

» AWC韓国委員会からの連帯メッセージ(PDFファイル・約145KB)


8・6広島青空式典・その1

8・6広島青空式典・その2

8・6広島青空式典・その3

8・6広島青空式典・その4

8・6広島青空式典・その5

8・6広島青空式典・その6

8・6広島青空式典・その7

8・6広島青空式典・その8

8・6広島青空式典・その9

8・6広島青空式典・その10

8・6広島青空式典・その11

8・6広島青空式典・その12

8・6広島青空式典・その13

8・6広島青空式典・その14

8・6広島青空式典・その15

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8・6広島青空式典・その17

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8・6広島青空式典・その19

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