アジア共同行動・日本連絡会議

日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

日本連絡会議ニュース

 

 

 

6/24アジア共同行動首都圏、闘う!


6月アジア共同行動の一環として、AWC首都圏の取り組みが6月24日に行われました。

まず韓国ゲスト2名とともに、韓国の郵船ロジスティクス労働争議への支援行動が闘われました。韓国の地労委、中労委は郵船ロジスティクス労組への経営側による不当配転・労働協約破壊などを不当労働行為を認定し、早期の解決を求めました。にもかかわらず、不誠実な労組破壊や不当配転が続いています。韓国の郵船ロジスティクス労組は、すでに3ヶ月を超えた職場ストライキで闘っています。この不当な郵船ロジスティクスの日本本社に対して、抗議申し入れ行動が闘われました。

韓国では、この日、駐韓アメリカ大使館前で全国規模のサード・システム配備反対闘争が行われています。これと連帯し、東京の米大使館に対するサード配備や京丹後米軍Xバンドレーダー基地に反対する抗議を闘いました。沖縄、岩国、京丹後、神奈川、横田など反基地闘争としても、闘うものでした。米大使館の真ん前で抗議行動を繰り広げましたが、警視庁の妨害と強制排除の攻撃を跳ね返しながら、日韓民衆連帯の反基地共同行動を貫徹しました。プラカードとのぼり旗をかかげ、警察権力と対決しながら、アピール、シュプレヒコール、抗議文を米大使館に叩き付けました。韓国ゲスト、AWC首都圏幹事、京都米軍Xバンドレーダー基地反対、AWC首都圏などが発言しました。

夜、渋谷勤労福祉会館では、「激動する朝鮮半島情勢と韓国民衆の闘い」と題したAWC首都圏集会が行われました。約60名が参加しました。韓国情勢の講演、サード配備反対や岩国現地交流・兵役義務などでの反戦反基地の想いなどについて、韓国ゲストは報告しました。その後、会場発言や質疑が出されました。岩国・労働者反戦集会実行委、日韓ネットなど方々が訴え、質問を行い、韓国ゲストが応答するものでした。韓国情勢における労働者への非正規など差別分断や長時間労働、強搾取支配、これらの韓国資本主義社会を革命する闘いなどが訴えられました。

AWC海外ゲストへの入国拒否や入国妨害など弾圧への抗議文が怒りをもって確認されました。最後に、AWC首都圏の方針を読み上げ、満場の拍手で意思一致しました。

共謀罪など治安弾圧強化、改憲-戦争国家への歴史的攻撃を強める安倍極右ファシストの独裁政治を粉砕し、アジア太平洋各地の人民と国際連帯し、日米帝国主義とたたかう大衆的潮流のさらに拡大していきましょう。

以下、韓国からの報告、AWC首都園方針を掲載します。


2017 韓国報告

AWC日本連6月アジア共同行動 地域巡回集会

AWC韓国委員会:ホ・ヨング、イ・ミンゴル、カン・ジンス

  1. 朴槿恵政権退陣 ろうそく革命の経過

  2. 2016年10月24日、朴槿恵は突然国会で改憲を発表する。しかしその日の夕方JTBCで秘線実力者(影の実力者)崔順実の国政私物化が報道される。これに対し朴槿恵は、10月25日の第1次対国民談話の発表に始まり、何回も謝罪と釈明をするが、国政私物化と国憲びん乱(憲法又は法律に定める手続によらずして、憲法又は法律の機能を消滅させること)で彩られた朴槿恵ゲートはますますあらわになった。

    10月29日、3万人余りの労働者市民が光化門に進出した。歴史的なろうそく革命が始まった。労働党は、10月31日から党代表が朴槿恵の「退陣と逮捕」を強く求めるハンスト闘争に突入した。毎週開かれる土曜日のろうそく集会に市民の参加数が回を重ねる度に数倍になるほどに増えていった。11月5日20万人、11月12日100万人、11月26日190万人が参加した。国会は崔順実ゲート特別検事法を通過させ、朴槿恵は自身を調査する特別検事を任命した。その後、朴槿恵、崔順実をはじめとする核心人物20人余りが逮捕・収監された。

    12月3日、232万人が参加するなかで現場のスローガンは朴槿恵「下野」から「退陣」へと発展した。6回のろうそく集会に延べ640万人が参加し、スローガンはますます急進的に変化・発展した。いよいよ12月9日、「(朴槿恵の)秩序正しい第二線への後退」を主張していた国会が、朴槿恵の弾劾を圧倒的に発議した。政府与党だったセヌリ党議員さえ、半数もの人々が弾劾に賛成した。国民が国会解散まで要求するかも知れないという憂慮のためだった。

    この時から朴槿恵の大統領職務は停止し、ファン・ギョアン総理が大統領権限代行を引き受けた。憲法裁判所は、朴槿恵の弾劾審理に着手した。市民はこれ以降、正月の連休を除いて毎週土曜日ごとに、13回のろうそく集会をさらに継続した。4ヵ月を越える闘争だった。延べ人数1600万人を越えた。そしてついに3月10日、憲法裁判所は朴槿恵を罷免した。3月11日の土曜日、朴槿恵退陣と罷免が達成された第20回ろうそく集会で勝利を祝った。

  3. 労働者の立場から見たろうそく革命の評価

  4. 朴槿恵政権は、新自由主義の李明博政権の政策を継承しながらも、より一層権威主義的で独断的な政策を展開してきた。財閥と結託して労働柔軟化政策を強制した。貧富格差は拡大し、家計負債は増加した。2015年に民衆総決起に立ち上がった労働者・民衆を暴力的に鎮圧した。農民が警察の放水銃を受けて亡くなり、民主労総委員長は(民衆総決起を組織したかどで)逮捕された。

    自身の父親である朴正煕の親日と軍事独裁の歴史を消し去り、歪曲するために、国定歴史教科書を強行した。同時に、韓米日3角軍事同盟とミサイル防衛(MD)体制を構築するためのアメリカの戦略と圧力に順応して、日本軍「慰安婦」問題と日韓軍事情報保護協定、そしてサード配備まで強行した。労働者・農民の闘争が続いたが、かつてのような闘争の動力は作り出せなかった。むしろ権力内部で亀裂が起きた。政府与党であるセヌリ党内部が、朴槿恵支持と反対とに分かれて争う中で、2016年総選挙で敗北し、権力の秘線実力者(影の実力者)内部で不正と腐敗が暴露されると同時に、2016年ろうそく抗争が起こる導火線となった。ろうそく集会初期には、秘線実力者(影の実力者)によって大統領がもてあそばれた国政私物化に対する怒りが大きかった。『これが国か、恥ずかしくて我慢できない!』というスローガンがこれを物語っている。

    しかし、ろうそく集会が進むにつれて、ますます参加者のスローガンは構造的な要求へと発展した。朴槿恵とその共犯の逮捕、財閥総帥の逮捕、検察改革、セヌリ党解体を要求した。サード配備反対、原子力発電所の閉鎖、4大河川事業の調査、ハン・サンギュン民主労総委員長の釈放、成果年俸制の反対など、多様な要求があふれ出た。

    朴槿恵政権を退陣させたろうそく革命の特徴は次のとおりだ。第一に、参加者数が歴代最大規模である延べ1600万人を超えたことだ。20回余りおこなわれたとして、毎回平均80万人に達し、最も多く参加したときは230万人以上だった。第二に、夜間に行われたろうそく集会とデモだったが、平和デモとして進められ、青瓦台(大統領府)の前までデモ隊が接近したことも初めてのことだった。第三に、民衆の自発的な参加の中で、韓国社会の構造的な問題を議論する大衆直接民主主義の広場になったことである。第四に、民衆の力で政権を退陣させたことである。

    一方で、その限界は明らかだ。第一に、ろうそく革命の主体である民衆が勢力交替の中心に立てなかったし、相変らず議会主義と代理主義の保守政治勢力による政権交替に留まった。第二に、労働組合と労働者の隊列がゼネスト等によって闘争の中心に立つことができなかった。第三に、結局のところ財閥中心の韓国資本主義体制を根本的に変革できないまま、権威主義政権から自由主義改革勢力へと政権が交替させられるに留まった。第四に、文在寅政府の積弊清算の試みが当分のあいだ国民的支持を得るなかで、構造的矛盾を克服しようとする労働者・民衆の闘争は、もうしばらく困難な条件に陥る見通しだ。

  5. 文在寅政権に対する労働者の立場・評価・要求

  6. 朴槿恵ゲートが大問題になる前まででも、野党だった民主党は朴槿恵のセヌリ党より支持率が低く、20%台に過ぎなかった。同時に、与野党で大統領選候補として議論された人物の中でも、文在寅は1位を守ることもできなかった。しかし朴槿恵弾劾でセヌリ党が分裂し、朴槿恵の罷免と逮捕以降、早期の大統領選挙が可視化されるなかで、民主党と文在寅の支持が急上昇した。民主党から分離した国民の党のアン・チョルス候補が文在寅を追撃しはしたが力不足だった。

    結局5月9日、早期の大統領選挙で文在寅候補が大統領に当選した。今、民主党の支持率は50%を越えており、セヌリ党が分党した自由韓国党と正しい政党はそれぞれ10%にも達していない。このような状況で、1ヵ月少しの短期間の間に、前任の朴槿恵と比較される文在寅大統領の破格の歩みによって国民的支持は80%を越えている。

    しかし政権引継ぎ委員会の過程なしで大統領職を遂行しつつ総理や長官を任命する過程で困難にぶつかっている。文在寅大統領は、長官級人事において5大排除原則 (兵役逃れ、不動産投機、脱税、偽装転入、論文盗用) をはっきりと明らかにしたが、韓国の高官たちの顔ぶれがかつての政権の人々と別段違いがないということがあらわになった。開始時点から原則を守ることができなくなった。

    文在寅大統領は、盧武鉉大統領と共に労働人権弁護士として活動したことがある。今回の大統領選挙で、民主労総が進歩政党候補を支持する方針を定めたにもかかわらず、現場の多くの前・現職幹部が文在寅候補を公開支持した。文在寅大統領は、81万個の雇用という公約を守るために、政策第1号である大統領直属「雇用委員会」を作って大統領自ら委員長を引き受けた。そして最初に訪ねて行った現場が仁川空港なのだが、全体職員の90%、1万人に達している非正規職労働者を正規職化すると約束した。

    公共部門から先に非正規職を正規職化して私企業へと拡大するという戦略だ。これに対して経済団体は反発している。ところで公共部門の非正規職労働者の正規職化の内容はどうか。仁川空港の場合、派遣会社の代わりに子会社を作って労働者を「無期契約職」(中規職)として採用するということなので正規職化とは距離があるものだ。

    一方、「雇用委員会」は30人の委員で構成されているのに労働界代表は3人だけだ。民主労総は1999年2月に労使政委員会を脱退してから18年ぶりに、労使政の政府機構に参加することを決めた。政府は、警察、消防署員など公務員数を増やし、公共部門の非正規職労働者を正規職化するために、国会に11兆2千億ウォンの追加補正予算を要請したが、この程度の予算ではとうてい足りない。

    50%を越える非正規職労働者、男女の賃金格差、正規-非正規労働者間の賃金格差、世界最長の労働時間、世界最高の労災発生率、高い家計負債額などを解決する画期的な計画が提示されていない状態である。民主労総は、朴槿恵体制の清算(反逆者の処罰)、最低賃金時給1万ウォン、労政直接交渉、労使産別交渉の法制化、非正規職の撤廃、財閥体制の解体、社会公共性の強化、労組活動の権利と労働法全面改正などを要求している。6月30日には「社会的ゼネスト」を予定している。

  7. 日韓軍事情報包括保護協定、サード配備、韓米日軍事同盟

  8. アメリカを中心に、韓米日3角軍事同盟とミサイル防衛(MD)体制構築のためのプログラムが進められてきた。東アジアにおいて、沖縄の辺野古新基地建設、岩国米軍基地の強化、韓国の済州海軍基地の建設、平澤米軍基地の拡張を進め、軍事力増強、攻撃的軍事演習を強化してきた。日本軍「慰安婦」問題の拙速合意、日韓軍事情報包括保護協定の締結、星州サード配備など一連の過程を通じて韓米日軍事同盟とMD体系を強化している。これに対抗して、中国、ロシア、朝鮮民主主義人民共和国の軍事力が増大するなかで、東アジア地域の軍事的緊張が高まっている。

    2016年11月22日、大統領や国務総理でもない経済副首相が主宰する閣僚会議で日韓軍事情報包括保護協定が強行処理された。当時、朴槿恵は、ろうそく抗争によって国民の95%が反対して弾劾直前の状態であり、ファン・ギョアン国務総理は南米を歴訪中だった。次の日、国防部でハン・ミング国防部長官と長嶺安政駐韓日本大使が署名し、相手国に通知して正式発効された。

    「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA:General Security of Military Information Agreement)」は、両国間の軍事情報の保安分類と軍事秘密情報保護・表示の原則、情報接近資格、情報伝達・保管・破棄・複製・翻訳方法、紛失・き損時の対策などを定めた軍事情報交流・協力だ。それまでは2014年12月に締結された「韓・米・日軍事情報共有約定」により、アメリカを通じて北朝鮮の軍事情報を交換してきたが、日韓軍事情報包括保護協定によって韓・米・日の間の軍事情報がリアルタイムで共有されることになった。

    韓国は、2016年11月現在で31ヵ国と軍事情報保護協定を締結している。多くの場合は「軍事協力」の次元だが、日韓軍事情報包括保護協定の場合は、韓米日MD体制に編入されるのにともない韓米日3角軍事同盟に発展する前段階だということができる。安倍が戦争法を成立させることでその可能性が開かれているのだが、朝鮮半島での戦争勃発時に日本の自衛隊が朝鮮半島に進出できる条件を強化していく措置だといえる。

    2017年4月26日未明、米軍は星州のソソン里にサード発射台2基を強行配備した。反対する100人余りの住民たちを8千人以上の警察が暴力的に排除する中で、米軍サード発射台は村を通過して配備地域に移動した。大統領選挙が13日後に迫った時点だった。3月10日に罷免された朴槿恵の手下である国務総理のファン・ギョアン、安保室長キム・グァンジン、国防部長官のハン・ミングは主権国家の権利を放棄したままアメリカの圧力に屈服した。駐韓米軍地位協定(SOFA)の中の「韓国の環境法令および基準を尊重する」という合意も無視した。環境部は、環境影響評価法に基づくサード配備関連工事への「中止命令権」を発動しなかった。

    このような背景には、1954年11月に発効された「韓米相互防衛条約」が存在する。同条約第4条は、「相互的合意」にもかかわらず、「アメリカの陸海空軍を韓国の領土内とその付近に配備する権利を、韓国はこれを許与し、アメリカはこれを受諾する」という不平等条約である。韓国憲法第74条①項は、「大統領は憲法と法律の定めによって国軍を統帥する」と規定しているが、1950年7月15日から米軍が戦時作戦統制権を有している状態において軍事主権は制約されるほかはない境遇である。2006年に盧武鉉-ジョージ・ブッシュが、2012年4月に戦時作戦統制権を韓国に委譲することにしたが、李明博が2015年12月へと延期し、2014年4月に朴槿恵-オバマは、『返還時期と条件の再検討』を決め、2014年10月23日、韓・米両国間の年次安保協議会(SCM)で戦時作戦統制権を特定の時限を決めずに「条件」に基づいて韓国に移譲することで合意したが、移譲する条件はますます悪化している。

    ろうそく革命で朴槿恵が罷免・逮捕された後、5月9日に大統領選挙が実施された。この大統領選挙において当選した文在寅政府は、サード配備問題に対して明確な立場を発表していない。候補時代から民主党と共に「戦略的曖昧さ」で一貫してきた。韓国憲法60条1項には「国会は安全保障に関する事項や主権制約に関する条約などの締結・批准に対する同意権」(を有すること)を規定している。野党時代には国会同意を強調していたが、与党になった後では未だ積極的な立場を表明していない。大統領に当選した後では、手続き問題を質し、環境影響評価を新しく行なうという立場に留まっている。トランプは韓国にサードの費用10億ドルを請求している状態だ。文在寅政府は、韓米首脳会談を目前にした状態で、不法に配備されたサードに対して撤去措置を下さないでいる。

  9. 朝鮮半島での軍事的緊張の高まりと日韓民衆の平和のための闘争

  10. 平和のために軍隊と武器を増強し、軍事訓練を強化するということは真っ赤な嘘である。人類史上で経験した数多くの戦争は殺傷と破壊だけだった。今後起こる世界戦争は、人類が今まで経験したことがない大きな災厄を招くだろう。したがって戦争に反対して平和を定着させるために闘争しなければならない。

    朝鮮半島をめぐる軍事的緊張が高まっている。この間、アメリカのMD体制の一環として行われた韓国星州へのサード配備は、中国が韓国に貿易での報復を加えるという様相を帯びたが、本質的には東アジア地域の軍事兵器の増強と軍事的緊張を招いた。東アジア地域の新しい冷戦秩序は、戦争の可能性を高めるだけでなく、労働者・民衆の人生を破綻へと追いやるだろう。

    日韓の労働者民衆は、このかん帝国主義と新自由主義に反対する連帯闘争を進めてきた。日本民衆は沖縄や岩国の米軍基地拡張反対闘争とともに、韓国の平澤米軍基地拡張、ムゴン里射撃訓練場、済州海軍基地反対闘争を通じて国際連帯を進めてきた。今や、日本の京丹後Xバンドレーダー反対闘争と韓国の星州サード配備反対闘争もともに連帯して闘われている。新自由主義に対抗する労働者民衆の連帯闘争も、よりいっそう熱意をもって進めていかなければならない。

(2017年6月20日~26日、日本-岩国、神戸、静岡、大阪、東京、福岡)


光化門のてっぺんから眺めた世の中は?

[空に上がった人々④]大統領が変わることのほかに、期待することがあるのか

ホ・ヨング(平等労働者会 代表) 2017年5月4日

2017年4月14日、光化門駅7番出口にあるセグァンビル屋上の広告塔に6人の労働者が上がった。この人々は食を断って水と塩だけで一日一日を堪えている。どうして高空に上がって断食までする極端な選択をしなければならなかったのだろうか。<プレシアン>では高空断食座り込みをしている労働者、そして彼らを横で見守った人々の文章を通じて今の韓国社会で生きて行く労働者の生を語ろうと思う。

工場と職場から整理解雇され、街頭で闘争した労働者が高空断食座り込みに突入してからまる18日目だ。整理解雇撤廃、非正規職撤廃、労働3権争取「労働者民衆生存権争取のための闘争事業場共同闘争委員会(以下、共同闘争委員会)」所属の労働者6人が光化門の建物の電光板の上で、水と塩で命をつなぎながら高空断食座り込み中だ。5月初旬であるから昼は暑さに苦しむ。しかし夜には冷たい風が吹いてひもじい座り込み者をもっと縮こまらせる。5月1日JTBCが直接取材して報道したとおり、建物屋上の広告塔は非常に狭く、人々がまともに休息する空間さえない。

5月のゴールデンウィークが続く。空港と高速道路は旅に出る人々で賑やかで、季節は暖かくのどかな春の日だ。朴槿恵が弾劾・罷兔・逮捕されれば暖かい春が来るという。しかし相変らず労働者民衆の春は来ていない。社会のあちこちの積弊【長い間に積もり重なった弊害】は清算されていないし、労働現場は相変らず寒い冬である。127回目の世界メーデーが開かれた日、巨済三星重工業造船所では納品日に追われて働いていた下請労働者6人が崩れたクレーンの下敷きになって死んだ。資本の搾取が招いた野蛮な殺人行為であった。

保守政権は去年のろうそく闘争初期には、朴槿恵の秩序ある退陣を語った。そのうちに保守政権全体を吹き飛ばしてしまうろうそく抗争に驚き、急いで朴槿恵を弾劾した。その後、朴槿恵は罷兔・逮捕され、バラの花咲く5月、早期大統領選挙に突入した。候補は一様に労働者が豊かに暮らす世の中を謳う幾多の公約を提示するが、一様に誠意が見えない。あまりに切迫して「今すぐ!」と叫ぶ労働者にとっては空腹感を覚えるだけだ。血の色で染まった産業現場にバラ色の未来はなかった。

1700万のろうそく抗争の過程で叫んだ積弊清算の見込みは見えない。大統領選挙が終わる前に朴槿恵の赦免話が出た。労働のための公約を振りまきながら一方で構造調整を語っている。サード配備に対して曖昧な立場を取っていたが保守票を得るために党論を替え、曖昧さも戦略だと言ううちに、星州ソソン里には韓国警察が村の住民たちを暴力的に隔離する中で在韓米軍が満面に笑みを浮かべてサード発射台を進入させた。何が変わろうか

高空断食座り込みを主導している「共同闘争委員会」は、選挙による投票行為は『資本体制を合法的に容認する手続き的民主主義』であるだけとして、『労働悪法にけりをつけ、労働者民衆の悽絶な要求を闘争によって闘いとるために高空ハンストろう城に立つ』と明らかにした。これまで労働者は現場で使用者の不当労働行為と対決して悽絶な闘争を続けて来た。歴代政権の労働法改悪に対抗して「労働法改悪阻止と改正闘争」を展開して来た。しかしもう根本的な闘争を展開する時だ。朴槿恵一党を憲法に違反した罪で処罰しているように政権と資本の労働弾圧行為を憲法1条(主権在民)、憲法10条(人間の尊厳)、憲法33条(労働3権)に根拠して違憲と内乱行為で処罰しなければならない。

ろうそく抗争でセヌリ・朴槿恵政権が没落したにもかかわらず、3年を経たセウォル号惨事の真実は明かされていない。政権が組織的に特別調査委員会活動を妨害し解体させたし、真実糾明を妨害して隠蔽した者たちむしろ出世した。蔚山現代重工業の非正規職労働者が『大量解雇・構造調整の中断、労働界ブラックリスト廃止』を叫んで高空座り込み中だ。LGUプラス実習生と甲乙オートテック労働者が労働搾取と労働弾圧に耐え切れず相次いで命を絶った。とうとう非正規下請労働者がメーデーの日にも工場で働いていて惨禍にあった。労働者民衆の生は何も変わりがないか、より切迫して行く。

IMF為替危機の当時である1998年初めに、金大中政府の時に導入した整理解雇制度によって多くの労働者が解雇されている。それさえも解雇を制限するように規定した「労働基準法」23条(解雇などの制限)、24条(経営上の理由による解雇の制限)も無力化された。「正当な理由」、「差し迫った経営上の理由」なしに解雇することができないという明白な条項は政権(労働部、警察、検察、裁判所)と資本によって踏みにじられている。当時、民主労総は「差し迫った経営上の理由」がない限り「解雇を制限する」という甘言にだまされて労使政合意の陥穽に落ちた。しかし10年以上闘ってきたコルトコルテック労働者の事例で見るように守旧保守資本家の利害を代弁する最高裁判所は「未来に差し迫る可能性のある経営上の理由」を押し立てて整理解雇を正当化した。憲法はもちろん、労働基準法までも無視する最高裁判所は解体するべきである。

2006年末、廬武鉉政権の時に導入した「期間制及び短時間勤労者保護に関する法律」は非正規職保護や正規職化どころか非正規職をより拡大させた。同法第4条(期間制勤労者の使用)①項「使用者は2年を超過しない範囲内で期間制勤労者を使用」、②項「使用者が第1項但書の事由がないか消滅したにもかかわらず2年を超過して期間制勤労者として雇用する場合には、その期間制勤労者は期間の定めのない勤労契約を締結した勤労者」であると規定しているが2年になる前に再契約または契約を解約するやり方で整理解雇する。1年に1000万人に達する非正規職労働者が整理解雇されている。大部分の労働者は自分が解雇されているという事実も分かっていない。問題は労働運動陣営の認識も同じだ。

1948年制憲議会が制定した憲法33条に規定する労働3権は70年経っても守られていない。1991年国連加入国になって国連事務総長まで輩出した国で、国際労働機構(ILO)が定める結社の原則も守っていない。公務員、教師など公共部門労働者、特殊雇用職労働者の団結権とスト権を制限したり行使できなくしている。民間部門と言っても業務妨害と損害賠償差押などでスト権を違法化したり行使できなくしている。憲法33条に反する労働関係法や、特に労働部の行政指針は全部違憲である。そのような行為をする者は、長官でも、検察、裁判所でも皆な弾劾対象である。

19代早期大統領選挙戦が熾烈だ。去る4月29日、朴槿恵退陣国民行動は大統領選挙の前に23回目のろうそく集会を開いた。週末ごとに人々の熱気があふれた光化門と全国津々浦々のろうそく抗争は朴槿恵の罷兔・逮捕と政権交代ムードによって過去のものになった。同時に積弊清算と労働者民衆の生存権問題も押し出された。大統領が変わることのほか、根本的な変化を期待しにくい。労働者民衆の生存権は保守政権が解決してくれない。去る30年間6回の政権を経ながら6000人余りに達する労働者が逮捕された。1996年の金泳三政権当時、労・使・政が参加する労使関係改革委員会(労改委)に「経総【経団連のようなもの】」が資本の立場から提出した労働市場柔軟化と労働法改悪の内容はほとんど貫徹された。朴槿恵政権では実質的に労働3権の武装解除を試みた。韓国が世界化された資本主義体制と軍事的帝国主義の影響下にある限り、国内的に財閥中心の新自由主義経済体制が維持される一どんな政権であっても労働搾取と抑圧は続くだろう。そのため「共同闘争委員会」所属の東洋セメントのキム・ギョンネ、世宗ホテルのコ・ジンス、旭ガラス非正規職のオ・スイル、コルテックのイ・イングン、ハイテックRCDコリアのキム・ヘジン、現代車蔚山非正規職のチャン・ジェヨンなど6人は「投票を越えて闘争へ」を叫んで高空ハンストろう城を続けている。「整理解雇の撤廃、非正規職の撤廃、労働3権の完全争取」は悪条件の中で食まで断って高空ろう城する労働者の念願であると同時に、この地のすべての労働者の希望である。


AWC首都圏方針

私たちAWC首都圏は、安倍政権による6月15日の「共謀罪」成立強行を徹底的に弾劾します。また、今集会に参加するはずだった韓国ゲスト1名が日本政府によって不当にも入国拒否を受けました。私たちは、いかなる弾圧があろうとも、アジア人民との具体的実践的連帯を掲げた反戦闘争の前進をかちとっていく決意です。

今夏秋期、私たちは第一に米軍再編反対―日米軍事一体化と闘います。

韓国のサードミサイル配備反対の闘いに連帯し、沖縄の辺野古新基地建設阻止をはじめとした反基地闘争を闘います。地元住民の闘いに結合し、沖縄―岩国―京丹後―神奈川―横田を貫く闘いによって安倍政権を追い詰めていきます。

今秋の岩国現地集会を米軍再編反対の闘いとして決起していきます。岩国の闘いを支える活動として、「のぼり旗」カンパ運動に取り組みます。

第二に、横田基地のオスプレイ配備反対を闘います。

オスプレイの配備が延期されたからといって、横田への配備計画そのものが中止になったわけではありません。今年に入り、オスプレイが横田を経由する回数が飛躍的に増しています。パラシュート降下訓練も増えています。米軍が横田を基地再編の要として位置付けていることは明らかです。

横田基地のオスプレイ配備反対を闘う労組・市民運動とともに配備反対の行動に取り組ます。7月30日には現地フィールドワークを行います。多くの人々に横田闘争への結集を訴えます。

第三に、労働者の生活破壊と闘います。

貧困と格差拡大が無制限に拡大しています。私たちは労働者の生活破壊と闘う労働組合の闘いと結合し、貧困化と格差拡大に対して闘っていきます。

非正規労働者実態調査アンケート運動を韓日の共同した闘いとして取り組んでいきます。

第四に、反戦を闘う広範な人々と連帯した運動の一翼を担っていきます。

反戦闘争実行委や「戦争法廃止!安倍たおせ!反戦実行委員会」や「戦争・治安・改憲NO!総行動」の仲間とともに、改憲阻止の全人民的うねりをつくっていきます。

サミット反対闘争や共謀罪成立反対闘争で培った陣形を堅持し安倍政権と闘っていきます。7月10日の「戦争・治安・改憲NO!実行委員会」が提起する集会に結集し、反改憲の闘いの一翼を担っていきます。

そして最後に、今後においても「アジア人民との具体的・実践的連帯」を掲げた国際連帯運動を進めていきます。私たちは国際連帯ー国際主義の中身をもって差別排外主義と対決し、反戦・反改憲運動を全力で闘っていきます。国境を越えた労働者の団結を武器に闘っていきます。

本日集られた皆さん。国際主義の立場に立った反戦-反基地運動の前進をもって、ともに安倍右翼政権を打倒していきましょう。

2017年6月24日 AWC首都圏

関連資料

» 米国政府に対する抗議声明(PDFファイル・約1.15MB)

» 2017韓国報告(PDFファイル・約339KB)

» 光化門のてっぺんから眺めた世の中は?(PDFファイル・約285KB)

» サード配備に関する汎政府タスクフォース構成および第1回会議に際しての共同記者会見文(PDFファイル・約245KB)

» AWC首都圏方針(PDFファイル・約212KB)


6/24アジア共同行動首都圏・その1

6/24アジア共同行動首都圏・その2

6/24アジア共同行動首都圏・その3

6/24アジア共同行動首都圏・その4

6/24アジア共同行動首都圏・その5

6/24アジア共同行動首都圏・その6

6/24アジア共同行動首都圏・その7

6/24アジア共同行動首都圏・その8

6/24アジア共同行動首都圏・その9

6/24アジア共同行動首都圏・その10

6/24アジア共同行動首都圏・その11

6/24アジア共同行動首都圏・その12

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