アジア共同行動・日本連絡会議

日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

日本連絡会議ニュース

 

 

 

6.12朝米会談共同声明に対する韓国・ピョントンサの論評


歴史的な米朝首謀会談が6月12日に行われました。南北、在外の朝鮮と韓国の労働者民衆による自主的平和統一の前進、核戦争の危機をやめ、朝鮮戦争終結や米朝間の平和協定や国交正常化、在韓米軍撤退などの歴史的一歩となりました。アメリカ・トランプ政権や日本政府・安倍政権は、日米軍軍事同盟と日米軍事一体化を強め、朝鮮民主主義人民共和国への経済支配の野望を激しくしています。朝鮮半島・東アジアの核戦争危機から、平和的情勢への歴史的転換が開始される中、いまこそ、反戦反基地、労働者民衆の国際連帯をつよめていきましょう。

辺野古新基地建設阻止、岩国基地強化反対ーイージス・アショア阻止、京丹後米軍Xバンドレーダー基地撤去、神奈川や東京・横田の米軍基地反対、反オスプレイなどの闘いをすすめよう。

森友・加計疑獄を追及し、安倍政権打倒をたたかおう。8時間労働制の破壊・労働法制改悪、「過労死促進・残業代ゼロ」、長時間労働・低賃金・非正規格差など拡大の「働き方改革一括関連法」を絶対に許してはならない。

反戦平和・反基地・反差別・国際連帯の6月アジア共同行動の各地集会にとりくもう。

韓国民衆で反米統一・反戦反基地の運動にとりくむ「ピョントンサ(平和と統一を開く人たち)」の朝米首脳会談に関する声明を紹介します。


6・12シンガポール朝米首脳会談の結果に対するピョントンサの論評

6・12シンガポール朝米首脳会談は4・27板門店南北首脳会談に続き、朝鮮半島において冷戦的対決構図を清算し、新しい平和の時代を開いたもう一つの歴史的快挙であり、全ての同胞とともに熱く歓迎する。

何よりも私たちは、朝米首脳が「6・12シンガポール朝米共同声明」(以下「共同声明」)前文で、トランプ大統領は対北朝鮮『(体制)安全保障』を約束し、金正恩委員長は『確固で揺るぎのない朝鮮半島非核化の約束を再確認』したことを大きく歓迎する。これは北朝鮮への体制安全保障(訳注:日本では「保証」と訳されているが、ここでは韓国の訳語に従い「保障」とした)と朝鮮半島非核化を同時並行で達成していくという「包括的合意」であり、以降の朝米間での北朝鮮への体制安全保障と朝鮮半島非核化ロードマップに対する「具体的合意」の導き出しと順調な履行を担保するカギとなる要素といえる。

次に私たちは朝米首脳が「共同声明」1項で、『新しい朝米関係を樹立』していくことに合意したことを大きく歓迎する。70年以上のあいだ敵対的対決と慢性的な戦争危機から脱せなかった朝米が、新しい関係を樹立することにしたことは、朝鮮半島の『平和と繁栄』のための前提であり牽引車になるだろう。

次に私たちは朝米首脳が「共同声明」2項で、『朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を構築』することで合意したことを大きく歓迎する。朝鮮半島の平和体制構築は、朝鮮半島の『平和と繁栄』を保障する一方、北朝鮮への軍事的威嚇の解消と体制の安全を担保することによって朝鮮半島非核化の前提になる。よって朝米首脳が朝鮮半島平和体制構築を宣言したことは、朝鮮半島の『平和と繁栄』、非核化のために当然取らなければならない措置に他ならない。朝米首脳が「共同声明」前文で明らかにした通り、アメリカの北朝鮮に対する体制安全保障と朝鮮半島非核化の同時並行での実現という原則により、すでに朝鮮半島非核化の段階に照応する終戦宣言、平和協定および朝米不可侵条約締結が順に予定されていると言えよう。

さらにトランプ大統領は、首脳会談後に持った記者会見で、韓米連合軍事演習の中断と、駐韓米軍の縮小および撤収意思を明らかにした。これは予想を超えた破格の発言であり、特に韓米連合軍事演習の中断は、トランプ大統領がアメリカ国防部と『あらかじめ議論した事案』であり、『驚くほどのことではない』という国防部スポークスパーソンの発言(ニュースワン,6.13)から推察する時、履行の可能性が大きいと言える。また、これは朝米間相互の「信頼構築」措置の一つであり、北の迅速な非核化を引き出そうとする米国の積極的な対応といえる。駐韓米軍の縮小または撤収と関連しても、トランプ大統領は『未来の交渉を通じて』という但し書を付けたが、明らかに駐韓米軍全員の撤収意思を明らかにした。韓米連合軍事演習の中断と、駐韓米軍撤収の理由についても、一部マスコミが強調するように単に費用だけを言及したのではなく『非常に挑発的(very provocative)』という理由を付け加えた。このような事実は、6・12「共同声明」を具体化していくための朝米間の後続交渉により、駐韓米軍の縮小または撤収問題も現実化されることを物語る。

次に私たちは、朝米首脳が「共同声明」3項で、『朝鮮半島の完全な非核化のために努力』することで合意したことを大きく歓迎する。この間、北は核を持つことになった原因をアメリカの北朝鮮敵対政策に置いたし、核保有の目標を朝鮮半島平和体制構築に置いてきた。ところが今や米国が、それも首脳の名前で朝鮮半島平和体制構築の意志を明らかにし、北朝鮮への軍事的威嚇の象徴である韓米連合軍事演習の中断と駐韓米軍の縮小および撤収まで示唆して北の非核化過程はより一層はずみをつけることになった。

一方トランプ大統領は記者会見で、北の非核化が長期間、色々な段階にかけてなされる可能性があることを明らかにして、ボルトン補佐官が主張する「一括妥結」方式を後にし、いわゆる「迅速な段階論(rapid phased-in)」方式に対しても、より柔軟性な姿勢を取った。これで北は主権侵害的要素が多いCVIDの明示的受け入れを拒否しながらもCVIG(完全で検証可能で不可逆的な体制保障)を確保する可能性を開いた。

次に私たちは朝米首脳が「共同声明」4項で、『戦争捕虜(POA)と失踪者(MIA)の遺骸を直ちに送還』することで合意したことに注目する。戦争捕虜と失踪者の遺骸送還は、「共同声明」前文で明らかにした朝米間の信頼構築措置の一環であると同時に米・ベトナム修交過程で見るように朝米修交のための掛け橋としての役割を果たすことができる。

このように6・12朝米首脳会談は朝米間の軍事的対決を止揚し、朝鮮半島の『平和と繁栄』を指向することによって東北アジアの安保地形を根本的に変え、朝鮮半島と北東アジアの新しい平和時代を開く、実に大胆な決断を下した世紀的事件といえる。 よって私たちは「4.27板門店宣言」と共に「6・12シンガポール朝米共同声明」が全面履行されて、朝鮮半島において必ず恒久的平和体制構築と自主統一の糸口が見いだせるように、全国津々浦々で国民の力と平和のロウソクの灯を切り拓いていくだろう。

2018.6.12
平和と統一を開く人々(常任代表:ムン・ギュヒョン)

 

awcjapan21@yahoo.co.jp

当サイトに掲載された文章・写真等の無断転載を禁じます。
Copyright © 2005-2018, AWC-JAPAN, All Rights Reserved.