菅政権による「福島原発汚染水の海洋放出」閣議決定を弾劾の日韓共同抗議声明
【AWC日本連全国連絡】
4月19日12時、日韓のAWCの呼びかけで、ソウル日本大使館前と東京の首相官邸前において同時抗議行動を行ない、下記の共同声明を発表しました。
同日韓国では済州島からソウルまで全国で同趣旨の抗議行動が様々な団体によって同時多発的に行われたということです。
菅政権の一方的決定を撤回させるため引き続き声を上げて行きましょう。
【声明】
― 菅政権による「福島原発汚染水の海洋放出」閣議決定を弾劾する!! ―
4月13日菅政権は関係閣僚を招集して「汚染水」の海洋放出を決定した。福島原発過酷事故から10年目、いまだに福島県民の塗炭の苦しみが続いているこの日に放出決定をしたことは絶対許されない暴挙である。これまで自民党政権は福島住民に寄り添うとか民意を尊重するとか甘い言葉で原発事故を語ってきたが、いまやその言葉をすべて投げうって政府決定には従えと言ってきたのだ。絶対許してはならない。
菅政権は4月7日わざわざ全漁連の会長を呼び出し「汚染水」の海洋放出を突きつけた。福島漁連はもとより全国の漁民が海洋放出に反対なことを知りながら通告したのだ。
まさに総務省接待問題での内閣支持率低下やコロナ対策の失敗で政権延命に展望をうしなった菅政権の政治的パフオーマンスだ。決断できる政権であることを、福島県民を踏み台にして演出してみせた姑息な決定なのだ。安倍政権から菅政権へと、嘘とペテンで権力維持をはかってきた政権を絶対に許さない。
菅政権は、汚染水に含まれるトリチウムは水と同じで無害なので海水で薄めて流して問題ないと抗弁しているが、とんでもない嘘だ。まずトリチウム自体が体内に取り込まれると内部被ばくを引き起こす。内部被ばくはガンの原因となる。さらに現在タンクに溜まり続けている汚染水には、トリチウム以外にセシウムなど危険な放射能が除去できず残っており、汚染水の70%以上が基準値を超えているという。汚染水を希釈して放出したとしても海の食物連鎖の中で濃縮される。風評被害が起きるかどうかの問題ではなく、明確に実害があり、その結果がどれほどのものになるか誰も予測できない。海洋放出は絶対に許してはならない。
菅政権は福島第一原発の廃炉工程が見通せなく汚染水が溜り続け保管に支障がでるなどと言い訳しているが、そもそも廃炉が30~40年で出来るというのが大嘘なのだ。
いまでも内部でデブリがどのような状態かも分らないので、廃炉工程は全然進んでいないのが現状なのだ。オリンピック・パラリンピックを誘致した手前「福島復興」は進んでおり放射能問題は安全だと強弁せざるを得ないところへ追い詰められているのだ。
すでに韓国、中国、台湾政府は公式に「海洋放出」反対を表明している。また世界中から「海洋放出」反対の声明や要請が提出されているのだ。こうした圧倒的な国内外の反対世論を無視して「海洋放出」を強行すれば菅政権は崩壊するだろう。私たちは、国際連帯の実践的行動で必ずや汚染水の海洋放出を阻止し、全原発の廃炉を目指して、全世界の人々との連帯を強め闘い続けることを宣言する。
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福島汚染水の放流を決定した日本政府を糾弾する。
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安全な核はない。 汚染水放流決定を撤回せよ!
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韓日連帯、全世界の民衆連帯で核のない世界を早く実現しよう!
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核発電と核兵器は一つだ、すべての核を廃棄しよう!
2021年4月19日
アジア共同行動(AWC)日本連絡会議、アジア共同行動(AWC)韓国委員会、核廃棄のための全国ネットワーク
(個人賛同省略)
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