日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する

許榮九代表の新聞批評

       第3号

    2008年1月22日

    毎週火曜日発行

 

 

 

1月2日

占領軍

10年ぶりに権力を握ったハンナラ党は占領軍のように振舞っている。引継ぎ委員会はこの間押さえつけられていた野望を表出でもするかのように政府機構の改編に着手した。朝鮮日報(1面)は李当選者が財政部統廃合の可能性を示唆する表現で「大蔵省をなくした日本の改革に感嘆」すると賛辞を送っている。一方、中央日報(E1面)は「国境なき企業狩り……体質を変えなければ生き残れない」とし、東亜日報(1面)は引継ぎ委が金融産業の構造改善に関する法律を緩和し、まもなく公共改革案を発表するだろうと報道した。

朝中東は1、2面を通して大運河建設を就任直後に始め、このためにビッグ5建設会社に計画を説明したと紹介している。毎日経済(1面)は大運河建設外資誘致のために「ドバイ・フォンドとMOUを推進」するという記事を載せた。ハンギョレ(1面)は「京釜、湖南、忠清の運河を同時に初期着工」というヘッドライン報道を通して国民合意なき大運河建設推進に憂慮を示した。

李明博政府の経済成長のためには「先進化は法と秩序の上に立てられる法(朝鮮日報社説)」だとか「ごり押し法、情緒法は絶対に根絶すべき(毎日経済社説)」だと肩入れしている。法と秩序を蹂躙してでも経済を再生できるのであればすべてのことに目をつぶることができるという物神主義が横行する社会でとんでもない法、秩序を叫んでいる。良心は人の個人にだけあるのではなく、団体や権力集団にもあるはずだが、完全に傍若無人の振る舞いだ。

毎日経済(19面)は「韓国の病を治す妙薬は法秩序の建て直し」という盗人猛々しい主張までためらうことなく出ている。毎日経済(4面)は国民経済意識調査で85%が「成長が重要だ」としながら、家計がよくなるだろうと答えた比率が38%と昨年の3倍だったという見出しを選んだ。ところが、調査の結果、50.4%は変化がないだろうと答えたことは見出しにならなかった。経済に対する国民意識は、成長して豊かに暮らせれば良いが、李明博政府だからといって抜群の手立てがあるのかというのが一般的な意識だと見るべきだ。

毎日経済(1、3面)は、労働者を絞り上げて成長を持続するために「1等韓国、1等経済」というスローガンを掲げて立ち直るフランスとスウェーデンを紹介している。サルコジが「遊び好きなフランスを働かせる」と大げさに振舞っている。ところが、世論操作によって国民意識も思うままに変えてしまう。大統領も、国家権力もいくらでも世論操作によってあべこべに作られるのが現実だ。

資本マスコミの常連コラムニストであるナム・ソンイル西江大経済学教授は、韓国経済(38面)で「成長エンジンの手入れは雇用の硬直性から」という題のコラムを通して労働運動弾圧と労働搾取の条件を求めている。成長の実態というものは他でもない資本と権力による譲与労働力の搾取に他ならない。同紙(B1面)はこれを通して「親企業政府の帆が上がった、グローバル市場を疾走しよう」という興味深い提案を投じている。甲板の上に立った粋な船長の支持で船が自然に激しい波をかき分けるのではなく、奴隷の鎖に縛られたまま機械のように櫓を漕ぐ船員(労働者)の血と汗と涙と色あせた魂が船(経済)を航海(成長)させる。

 

 

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