米韓合同軍事演習の即刻中止を求める抗議声明

       

 

 

 

 

朝鮮民主主義人民共和国への侵攻のための戦争演習弾劾!

米韓合同軍事演習の即刻中止を求める抗議声明

 

3月9日から20日にかけて、米韓合同軍事演習(キーリゾルブ/フォールイーグル)が実施されている。

これは朝鮮民主主義人民共和国(以下「共和国」とする)に対して、米韓軍が先制攻撃をかけ全面戦争を展開するための演習である。駐韓米軍と米本土をはじめ沖縄や日本「本土」の米軍基地からの増援部隊1万4千人を合わせた2万6千人以上の米軍部隊と、韓国軍2万人以上を動員し、全部で5万人を越える米韓の兵力がこの演習に参加する。原子力空母、原子力潜水艦、イージス駆逐艦など10隻以上の艦艇とともに、例年の2倍近い期間の12日間、実戦さながらの侵略的軍事演習を韓国全土で繰り広げる。米韓当局は「例年の防御演習」としているが、今回の演習では韓米空軍の特殊作戦要員の浸透などを内容とする連合交換訓練、軍需支援訓練、米韓海兵隊による実射撃訓練、共和国を想定した市街戦と指揮所打撃訓練、米海軍の対テロ訓練、米海兵隊の山岳訓練など、共和国に対する攻撃と占領を想定した諸訓練を実施するとされており、まさに「戦争演習」そのものである。

韓国では米軍再配置計画によってピョンテクをはじめ米軍基地が拡張強化され、広大な3つの米軍専用訓練場や、二倍に拡張されようとしているムゴン里訓練場など韓米共用訓練場が38度線の直下に多数存在している。そこで展開される米韓合同軍事演習は朝鮮民主主義人民共和国の喉元に突きつけられた軍事的恫喝であり、実際の戦争と何ら見分けのつかないものである。韓米合同軍事演習を強行するならば共和国領空を通過する韓国の民間航空機の安全を保障できないというこのたびの共和国の声明は、米日韓の支配層がいうような「挑発」などではなく、冷厳な現実である。この軍事演習こそが極度の緊張を朝鮮半島にもたらしているのであり、何よりもまず米韓による「戦争演習」を即刻中止することが必要不可欠である。

にもかかわらず日本政府は、共和国の衛星打ち上げを「北のミサイル発射」と言いなし軍備増強と戦争出動を合理化し、マスコミを動員して共和国への排外主義を煽ることにやっきとなっている。とりわけ朝鮮総連を対象とした経済制裁-組織的弾圧の強化をわれわれは絶対に許してはならない。

さらにわれわれ日本の民衆は、この米韓合同軍事演習が、日米安保条約と日米韓軍事同盟のもとで在沖・在日米軍と深く連動して行われていることを見逃すわけにはいかない。

今回の演習に参加する米原子力空母ステニスは、2月半ばに沖縄周辺海域で行われた海上自衛隊との合同の対潜特別訓練に参加したのち、航空機約70機と5千人の兵力を乗せて地元の労働者市民の反対にも関わらず2月26日に佐世保港に寄港。3月3日に佐世保を出港し、9日から韓国で実施される米韓合同軍事演習に向かった。佐世保では、4年連続の原子力空母の入港であり、日米・米韓の軍事演習への参加とあわせた入港が定例となっているのである。

また岩国基地の米海兵隊航空部隊は毎年このフォールイーグル演習に参加している。例年、岩国基地を飛び立った米軍戦闘機は朝鮮半島の奥深く38度線の間際まで飛来していることが確認されている。これだけを見ても、朝鮮戦争時に在日米軍基地が朝鮮半島への前進基地となったのは決して過去のことではないのだ。岩国基地を、朝鮮半島をにらむ極東最大の米軍基地へと拡張強化しようとする日米政府の目論見をわれわれは決して許すことは出来ない。

われわれ日本の民衆は、アジアの平和と南北の自主的平和統一を支持する立場から、共和国侵攻を目的とした戦争演習と共和国への軍事的恫喝をただちに中断すること、ならびに統一の最大の阻害物であり戦争の元凶である駐韓米軍・在日米軍をはじめとしたアジア・太平洋地域の米軍の総撤収を強く要求する。

2009年3月12日

アジア共同行動日本連絡会議

 

   

 

 

 

 

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