【日本連声明】韓国海軍哨戒艦「天安」沈没に関して、韓国政府と米国政府はすべての情報を公開せよ! 朝鮮民主主義人民共和国に対する敵視と制裁強化は許されない!

       

 

 

 

 

【日本連声明】

韓国海軍哨戒艦「天安」沈没に関して、韓国政府と米国政府はすべての情報を公開せよ!

朝鮮民主主義人民共和国に対する敵視と制裁強化は許されない!

 韓国イ・ミョンバク政権は20日、韓国哨戒艦「天安」沈没が「北の魚雷攻撃」によるものと断定する調査結果を公表した。あわせてこの問題を国連安保理に回付し、韓米合同防衛態勢の強化、南北経済協力事業の全面再検討を通じた現金流入の遮断、国際金融機構のブラックリスト掲載などを検討するという。

 このかん「北の魚雷説」に対し、韓国内では4野党と市民社会団体はもちろん軍民調査団内部からも大きな疑問が提起されてきた。魚雷爆発であれば当然起こるべき諸現象(巨大な水柱や死んだ魚の群れ、船体切断面と遺体の激しい損傷など)がどれひとつとして確認されてこなかったからである。5月19日にマスコミに公開された天安の切断面には衝突の痕跡はあっても爆発の痕跡はまったくなかった。また発見されている微量の火薬からは西欧や米国で使用されている成分が検出されたとも報道されている。今回の発表で、「決定的証拠」とされているのは、船体と海底から発見したとされる極微量の火薬成分と「5月15日に漁船が回収した」という部品のみである。これらから「北」の犯行と断定することは「国際的恥さらし」「世界中の物笑いの種になる」ほど非常識なことであり、むしろこれまで明らかになっているすべての事実は「魚雷爆発」はなかったことを指し示している。

 しかし韓国政府と韓国軍は、このような疑問に答えないばかりか、調査結果公表の大前提である一切の客観的資料、すなわち韓国海軍戦術資料体系(KNTDS)レーダー映像、熱像観測装備(TOD)映像、事故前後の航跡記録、および生存者の陳述書さえ公開しないまま、今回の「結果発表」を強行した。軍民合同調査団とは名ばかりで最大の疑惑の対象である韓国軍みずからが主導する今回の調査団の調査結果内容はまったく信頼が置けないものであり、韓国軍による証拠の改ざん・いんめつ疑惑さえ指摘されている。これに対し、韓国政府と軍は、調査過程に疑問を提起した人々への告発を乱発して弾圧している。

 同時に決して無視できないのは、真の事故原因について、座礁に加えて米潜水艦との衝突疑惑が提起されつづけていることである。日本ではほとんどのマスコミが報道していないが、天安が沈没した韓国西海では、事故当日に大規模な韓米合同軍事演習が進行中であった。この事実は「北の魚雷説」が作り話に過ぎないことを証明していると同時に、これまでにも韓国西海で米潜水艦による漁船衝突事故が発生していることを考えれば、当然に解明すべき疑惑である。2001年には米原潜グリーンビルによる「えひめ丸」衝突―沈没事件が生起したことも記憶に新しい。天安沈没について正確な情報を握っているはずの米軍には情報公開に全面的に応じる義務がある。

 朝鮮民主主義人民共和国は事件への関与を強く否定するとともに、調査団を送りたいという意思を表明している。真相は必ず究明されねばならない。にもかかわらず、日本政府は公式発表まえから米国とともに韓国政府への支持と日米韓3国の共同対応を公言して対「北」敵対を強め朝鮮半島の軍事的緊張を高めようとしている。この日本政府の対応に私たちは大きな疑念と懸念をもつとともに強く糾弾する。また韓国政府の発表をなんら検証することなくそのまま垂れ流している日本のマスコミ各社の対応に対しても強く批判し反省を求める。

2010年5月21日

アジア共同行動(AWC)日本連絡会議

   

 

 

 

 

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