大統領談話文に反論する -五つの常識的疑惑を解消することが先だ- |
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大統領談話文に反論する -五つの常識的疑惑を解消することが先だ-
天安艦事態に対する大統領の談話文が発表された。 どの疑惑も解消されないまま扇動に満ち満ちた選挙遊説文であったし、朝鮮半島の安定を破壊する南北関係破綻の宣言文であった。 イ・ミョンバク大統領と現政権の反北の本性を暴露した告白書に過ぎなかった。 ●イ・ミョンバク大統領は確実な物証を出して、五つの常識的疑惑に答えよ 大統領は去る20日、国際合同調査団が確実な物証と共に最終結論を提出したとして天安艦が北朝鮮の奇襲的魚雷攻撃によって沈没したと断定した。 ‘大韓民国を攻撃した北朝鮮の軍事挑発’というものだった。 しかし20日の合同調査団の発表は、天安艦が沈没して以降、絶えず提起されてきた数多くの疑惑と質問に対し、納得に値するいかなる説明もなかった。 まず最初に、北の潜水艇の侵入経路と退却経路が存在しない。 強盗が塀を越えてきたのか、鍵を壊して入ってきたのか、トンネルを掘って入ってきたのか明らかにしないで強盗を捕まえたというようなものだ。 当時、事故現場にはイージス艦2隻があったがどのようにそこに突き抜けて入ってきて魚雷を発射して消え去ったのか答えなければならない。 第二に、現場で引き揚げした魚雷スクリューに肉筆で表記された‘1番’という文字に対するインク鑑定も依頼せず決定的根拠として提出した経緯について説明しなければならない。 水中で高温・高圧で爆破したとは信じられない程、鮮明に文字が残っている点、北韓は‘1番’という表記よりも‘1号’という表記を普通に使っているという点などに対する疑惑に答えなければならない。 第三に、天安艦の生存者たちの合同証言でも出てこなかった水柱を観察したという陳述が合調団の調査発表直前に登場した理由に対しても明らかにしなければならない。 天安艦の生存者たちが合同証言で虚偽の陳述をしたのか? 白い閃光を見たというペクリョン島の哨兵の陳述は何故これまで出てこなかったのに合調団発表で登場することになったのか? 第四に、ガスタービン室はどこに消えたのか。 2~30メートル幅の水柱が100メートルの高さまで噴き上がるほど強力な爆発があったとすれば、ガスタービン室こそ‘決定的証拠’であることが明らかだ。 しかし軍当局はガスタービン室の引き揚げという事実を隠すのに汲々とし、合調団はガスタービン室を公開しなかった。 第五に、小型潜水艇が1.7トンの重魚雷を搭載して正確に天安艦を打撃した後、何の損傷も受けないまま韓米両国の監視網を通り抜けてゆうゆうと消えた非科学的現象に対して科学的に説明しなければならない。 イ・ミョンバク大統領は対国民談話文の発表に先立ち、五つの常識的疑惑を解明することが先決だ。 ●五つの常識的疑惑を解消するためにTOD映像、交信記録などを公開せよ TOP映像を見た人が厳然と存在するにもかかわらず、イ・ミョンバク政府は事件当時の映像がないと言い逃れている。 TOD映像を見たという人々は幽霊を見たのか、幻を見たのか、そうでなければ夢を見たのか。 水柱を見たという証言があるならばTOP映像にその水柱が撮影されただろう。 TOP映像さえ公開すれば数多くの疑惑は一気に解消されるのだ。 政府はなぜTOD映像を公開しないのか。 TOD映像ほど‘確実な物証’がどこにあるというのか。 交信記録と航跡記録、そして海軍戦術指揮統制システム(KNTDS)記録もまた、TOD映像に次ぐ確実な物証だ。 上記の諸記録には事件当時の情況がそっくり含まれているだろうからだ。 保安という名でこれ以上国民を糊塗しようとせず国民の前に関連諸資料をガラス張りに公開することをもう一度強く求める。 国民が持っている一ミリの疑惑をも解消するためのあらゆる努力を傾けることが先だということをもう一度強調するものだ。 談話文はその後にしても遅くなかったのだ。 ●真に朝鮮半島の安定と平和を望むならば、まず南北共同調査から着手せよ 大統領は談話文で北側船舶の南側海域の進入を遮断して、南北間交易と交流を中断することを明らかにした。 この談話文に続いて、統一・国防・外交部長官の合同記者会見では対北朝鮮心理戦を再開して、大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)全面参加、開城(ケソン)工業団地の滞留人員縮小などの方針を明らかにした。 しかしこのような方針は大統領が談話文で明らかにした‘朝鮮半島の安定と平和’、‘朝鮮民族の共同繁栄’、‘平和統一’とはほど遠い話だ。 その上、自衛権発動を云々するのはより一層、危険千万な発想だ。 停戦協定は海上での軍事境界線を設定していないため南北の間に絶え間ない偶発的衝突があった。 その上、南側政府が軍事境界線だと主張する北方境界線(NLL)は北側が認める軍事境界線ではないということから、領海侵犯時に自衛権を発動するという発想は、意図しなかった偶発的衝突が全面戦争に飛び火することがありうる危険性を抱えている。 消えていない火種に油を注ぐ発想である。 真に朝鮮半島の安定と平和を望むならば‘確実な証拠’のない反北キャンペーンに熱を上げるのでなく、南北共同調査を実施することを提案する。 北の検閲団を受け入れることができないならば、北韓に調査団派遣を要請して南北共同で天安艦事件を調査しろということだ。 イ・ミョンバク大統領があれほど強調していた南北基本合意書の不可侵関連の付属合意書は“すべての意見と紛争問題を双方の軍事当局者が合意する機構を通じて協議・解決”(7条)し、“不可侵の遵守に違反する場合、共同調査をして違反事件に対する責任を糾明し再発防止対策を講じる”(8条)と規定しているという事実を思い出すことを望む。 合わせて、南北関係は緊張が高まる段階を越えて緊張が爆発する段階に入っていることを朝鮮半島の関係諸国は注視しなければならない。 朝鮮半島の停戦体制を管理できる軍事停戦委は死文化されて久しい。 軍事停戦委に代わって停戦体制を管理してきた北朝鮮-米国(国連軍司令部)間の将軍級会談を持って朝鮮半島での緊張爆発段階を平和的に管理できる合理的対策を講じなければならない。 北朝鮮-米国(国連司令部)間の将軍級会談で6者会談の参加国を中心とする天安艦事態共同調査団を構成してみるのも現事態の悪化を防げるはっきりとした方案になりうるだろう。 ●イ・ミョンバク大統領は自由民主主義を云々する資格がない 大統領は談話文で‘自由民主主義’を力説した。 しかし分析と主張が政府と違うといって長官が特定人物を告発する社会が自由民主主義社会なのか、大統領に問い返したい。 情報をとことん隠して法という道具を使って国民の口にクツワをはめるのは自由民主主義でなく独裁にほかならない。 その上、大統領は談話文で“国家安保のために私たちは一致団結せねば”ならないと主張した。 一致団結して疑惑で埋め尽くされた合調団と政府の発表を信じろということであり、一致団結して北朝鮮を懲らしめるのに参加しろということだ。 46人が犠牲になった悲劇的事件に対する原因分析もなく、問題解決のための解決法も提示しないまま、非常に危険な反北対決扇動で綴られた今回の対国民談話文は、自由民主主義を破壊する宣言文に他ならなかった。 天安艦を政治に悪用して、国民の口と耳をふさぎ、安保という美名で国民総動員をたくらむ現政権は自由民主主義を云々する資格のない政権だ。 民主労働党付設セーセサン(新しい社会)研究所
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