鳩山政権による普天間基地の辺野古移設決定を弾劾する
アジア共同行動（AWC）日本連声明
2010年5月28日
鳩山政権による普天間基地の辺野古移設決定を弾劾する
米軍再編白紙撤回・日米安保廃棄！沖縄・日本・アジアからの米軍の総撤収を
鳩山政権は5月28日、ついに普天間基地の辺野古移設を閣議決定し、日米両政府は辺野古移設の推進を明記した共同声明を公表した。「最低でも県外移設」という昨年の総選挙時の公約はいったい何だったのか。私たちは、かつての自公政権と同様に辺野古新基地建設を決定した鳩山政権を心の底からの怒りをもって厳しく弾劾する。
日米同盟・米軍の「抑止力」などいらない
鳩山政権は、辺野古移設を決定した最大の理由として日米同盟と米軍の「抑止力」の維持をあげている。米軍の「抑止力」を維持するには、米海兵隊の沖縄駐留が不可欠だというのだ。しかし、沖縄の米海兵隊は、イラク戦争・アフガン戦争の主力部隊となってきたように、アメリカの戦略にもとづいて全世界へと展開する「殴り込み」部隊である。米軍の「抑止力」の維持とは、このような米海兵隊の駐留を正当化するための詭弁にほかならない。沖縄に米海兵隊が駐留し続け、辺野古に新たな米軍基地が建設されることは、沖縄が侵略戦争のための米軍の出撃拠点としてさらに強化されることを意味する。そして、在日米軍基地の74％が集中する沖縄に辺野古新基地を建設することは、沖縄への差別支配をさらに強化するものなのだ。そのもとで沖縄の民衆が、事故や騒音などの基地被害や米軍犯罪に苦しめられ続けることなど絶対に許すことはできない。
沖縄への連帯と「本土」におけるたたかいの強化を
しかし、いかに日米両政府間で合意しようとも、辺野古に新たな米軍基地を建設することは絶対に不可能である。辺野古の浜に座り込むオジー・オバーをはじめとした沖縄民衆のたたかい、これを支援する全国の民衆のたたかいによって、自公政権は13年をかけても辺野古の海に杭一本打ち込むことができなかった。まして、1月24日の名護市長選挙での勝利、2月24日の全会一致での県議会決議、4月25日の9万人が結集した県民大会に示されるように、いま沖縄の民衆はまさに「島ぐるみ」で普天間基地の「県内移設」に反対しているのだ。危険な普天間基地はただちに閉鎖し、一切の移設条件無しに撤去する以外にはない。普天間基地の「県内移設」に反対し、即時閉鎖と無条件の撤去を求める沖縄の民衆のたたかいに全国から支援と連帯を集中していこう。また、鳩山政権が「県内移設」を強行しようとしている背景には、「本土」におけるたたかいの弱さと立ち遅れがある。このことをしっかりと見据え、私たちはこのような現実を変革していくために全力でたたかう。
米軍再編白紙撤回！米軍基地撤去・日米安保廃棄に向けた全国的なたたかいへ
この重大な局面をむかえて、私たちは米軍再編・基地強化と対決する沖縄・岩国・神奈川のたたかいの結合を促進し、米軍再編白紙撤回に向けて全国でたたかいに立ちあがることを呼びかける。日米両政府が推進する米軍再編は、米軍基地の強化にとどまるものではない。米軍と自衛隊の一体化を一挙におしすすめ、憲法九条改悪の動きと結合しつつ、アメリカとともにアジア・全世界において侵略戦争を推進する国へと日本を根本的につくりかえていこうとするものなのだ。鳩山政権は、辺野古に建設する新基地を米軍と自衛隊の共用とし、沖縄の海兵隊の訓練の一部を徳之島など全国各地に分散移転させようとしている。それは沖縄の民衆の「基地負担」の軽減につながらないばかりか、基地強化と日米軍事一体化、民間空港の軍事使用の拡大をさらに全国的に推進するものにほかならない。
この間、沖縄のたたかいに連帯する集会・デモなどが全国各地において取り組まれ、また5月16日の普天間基地包囲行動には全国から多くの人々が結集した。いま新たな局面をむかえて、これらのたたかいを米軍再編白紙撤回、沖縄・日本からの米軍基地撤去と日米安保の廃棄を要求する全国的なたたかいへと断固としておしあげていこう。韓国哨戒艦「天安」沈没事件を利用して、日米韓三国の政府が東アジアの軍事的緊張を一挙に高めあげ、朝鮮民主主義人民共和国への戦争態勢を強化しようとしているなかで、このことがますます火急の課題となってきているのだ。共和国への軍事的包囲の解消と朝鮮戦争の公式の終結・平和協定締結による東アジアの新たな平和構築、アジアからの米軍総撤収を求めるアジア各国・地域の民衆との連帯をさらに強化しよう。そして、沖縄をはじめ全国各地の米軍基地を侵略戦争のための出撃拠点として提供し、日米安保・日米同盟にもとづいて戦争国家への道を突き進んできた日本の戦後のあり方そのものを根本的に転換させていくために全力でたたかいに立ちあがろう！