日米のアジア支配に反対し、アジア民衆の連帯を推進する
日本連絡会議ニュース
7・15「緊急！」福島原発告訴団が東京第五検察審査会へ上申書提出
福島原発告訴団は7月15日、14時30分に東京地裁前集合を緊急に呼びかけました。「告訴団」事務局によると、検察審査会には4回上申書を提出してきたが、審査会のシステムが秘密なので、進捗状況が教えてもらえない中で、7月7日、審査会事務局から7月15日までに上申書を出さないと、それ以降は受け付けないという連絡があったことが説明されました。
発言に立った武藤類子団長は昨年の9月、10月と、被害者の声を聞いて「起訴相当」を出してほしいと申し立てしてきたが、審査会が7月15日をもって締め切りにすると言ってきたことに、1週間延ばしてほしいと要望したが、「ダラダラ出されては困る」と言って聞き入れてもらえなかった。しかも「ダラダラとはどういう意味か！？」と、問うたら言葉を間違えたと弁解した事に驚くとともに、審査会事務局のやり方は不当だと抗議しました。
原発事故から3年4カ月が経つが、いまだ放射性物質は閉じ込められていない。昨夏に実施した大規模ながれき撤去作業で放射性物質が飛散して、20キロメートル離れた水田が汚染されたこと。さらに海へ放射能物質が流されている。福島の13万人近くが家に帰れない。原発事故関連死は1700人を超えている。さらに、うつ状態の人や、自殺者は増加の一途を辿っている。被害者の苦しみははかりしれない。多数の被害者が存在するのに、何故、加害者の責任が問われないのか！？審査会には「起訴相当」を出してもらうように訴えていきたいと、強い思いを述べました。
続いて保田弁護士が事態を説明しました。審査会事務局が新たな上申書を7月15日までに期限を切ってきたことに対して、急遽、国連人権委員会出張中のジュネーヴから海渡弁護士と、河合弁護士が作ったこと。検察審査会で審査を求める被疑者は勝俣恒久ら6人を「業務上過失致死傷」に絞ったことの意味。東電にどういう落度があったのか！？東電がどういう対策をとれば今回の事故を防げたのか！？を明らかにしてほしいこと。申し立て人の意見を聞いていないのは官僚的であること。審査会の在り方は、ほんとうに被害者の気持ちを代弁して一直線にむかってほしいこと。そうした審議の在り方を要望しました。
福島から新幹線に飛び乗って駆け付けた森園さんは、7月15日を期限切れとしてきた審査会に「ちょっと切れた」と、内容のひどさを批判した。7月12日（土曜日）の福島沖の地震（M6．8）、震度4に県民は3．11に戻る。恐怖がよみがえるのだ！沿岸で作業中の被ばく労働者は高台に逃げた。この恐怖がわかりますか！？審査会をはじめ法の役人に、毎日、私たちが線量を気にしながら暮らしている福島へ家族もろとも来て、福島の水、空気、土地の食べ物、地震を経験してみてくださいと糾弾しました。これからもくじけることなく責任は誰がとるのかと、訴え続けると、強い意思を表明しました。
佐藤副団長はこの国は法治国家でない。今や人治主義になっている。安倍は王さまの国でないと言っているが、王さま気分になっていると、安倍政権の集団的自衛権「合憲」化を弾劾しました。そして、法の下に平等なのに、上申書を15日まで出せ！とは、もっての外と、審査会事務局の横暴を糾弾した。事故から3年4カ月たったが、被ばくが可視化されていない。東日本が汚染されている中で、首都圏・関東も緩慢な死を受け入れているのだ。放射能を画像にして、可視化運動をしたらよいと思う。被ばくが強制されて生き続けなければならないことに、国、東電、原子力村の住民は思いを致しているのか！？そう、致しているようだ！「20ミリシーベルトまで堪えよ！」と。7月16日、原子力規制委員会は鹿児島川内原発再稼働にゴーサインを出そうとしている。内閣によるクーデターが安倍独裁政権だ！立ち上がってがんばろう！あきらめることを待っているが、「告訴団」の闘いは、脱原発・再稼働阻止のかなめ石になっている。後退りすれば押してくる。前へ進むのみだ。「起訴相当」を勝ち取っていく。マインドコントロールされている11人の審査会に、理解してもらうためには、告訴人の声を直接聞いてもらうことだ。わたしたちの声を届けよう！と、力強くアピールしました。
その後、「告訴団」は予定通り15時に以下3点の上申書を東京第5検察審査会へ提出しました。
- 上申書（1）岩波書店『世界』7月号より
- 上申書（2）申立人らへの尋問を行うことを求める
- 上申書（3）検察審査会事務局からの質問に対する回答
「緊急」の呼びかけにもかかわらず東京地裁前に沢山の人々が駆けつけました。反原発・再稼働阻止のかなめ石として闘う福島原発告訴団に固く連帯し、「起訴相当」の議決を勝ち取って行きましょう！
（AWC首都圏幹事 高槻民枝）
