運動方針
(情勢および運動方針についての緊急の追加)
3月11日に発生した東日本大震災は、地震、津波、原子力災害によって、未曾有の被害をもたらしています。多くの市町村が跡形もなく潰滅し、多くの人たちが命を失い、しかも、いまだ、あまりに多くの人々が行方不明の状態のままです。さらに、福島原発の損壊による放射能汚染が始まし、新たな被曝者が生み出されつづけています。事態は、いまだ予断を許しません。私たちは、この総会の名において、すべての犠牲者に心から追悼の意を表明します。
自衛隊10万人出動、米軍出動、原発損壊と放射能汚染、危機管理内閣への挙国一致体制の動きなど、すでにさまざまな急激に動きが進んでいます。この歴史的な大震災が、今後の政治、経済、軍事にわたる全領域に大きな影響を与えていくことは必至です。政府はこの大震災を利用して、自衛隊と米軍への「国民的」な支持意識を形成させ、日米軍事同盟を強化し、翼賛体制の強化を進めるなど危険な動きを全面化させています。こうした政府の危険な動きを許さず、すべての被災者救援に全力をあげたいと思います。全労協、全日建運輸連帯労組関西生コン支部は、義援金を呼びかけています。在日・滞日フィリピン人組織のミグランテも義援金を呼びかけています。私たち、アジア共同行動日本連絡会議としても、全労協、関西生コン支部、ミグランテの義援金よびかけに協力しながら、海外を含めて支援を呼びかけていきたいと思います。また、今後は、ボランティア派遣なども含めて最大限の救援活動に取り組みたいと思います。
多くの人々が、瞬時にして、家も仕事も、そのすべてを失ってしまいました。多くの失業者が生み出されました。私たちは、在日・滞日外国人を含む、今回のすべての被災者の生活と健康を守るために政府がなしうるすべてを行なうよう要求してたたかっていかねばなりません。新自由主義政策の下では、大資本の利益のための復興に他ならないものになっていきます。私たちは、すべての被災者の生活再建を全面的に保障させるためにあくまでもたたかっていきたいと思います。
加えて、自衛隊10万人出動、米軍出動という事態の中で、これを契機に、反基地闘争への解体攻撃が強まります。こうした動きに対して、すべの軍事費を人々の生活・復興のために使うべきであることを明確にしたたかっていく必要があります。また、福島原発の損壊、放射能汚染という事態が広がるなかで、すべての原発を絶対に廃止させるために、すべての被バク者、被爆二世三世とともに、たたかいを全面的に強めることを確認したいと思います。
以上を、情勢と方針をめぐる緊急の追加提案としたいと思います。
以上を踏まえ、第一に、本年度も、米軍再編に反対し、沖縄、岩国、神奈川を貫く反戦反基地闘争・反安保闘争を総力で進めたいと思います。そして、反基地闘争を、朝鮮半島をめぐる戦争策動や領土問題をめぐる戦争策動に反対するたたかいと結びつけてたたかおう。こうしたたたかいの集約環として、今秋、再々度、アジアから米軍の総撤収を掲げた岩国への総結集を実現していきましょう。
沖縄では、高江ヘリパット建設が強行されようとしており、連日の攻防が始ってきました。東京での辺野古実よびかけの連帯行動や、各地でもさまざまな連帯行動がよびかけられています。こうした呼びかけなどに応えともに連帯行動を強めていきましょう。現地派遣も含め、高江ヘリパット建設に反対する各地でのたたかいを緊急行動として全国で強めていこう。また、普天間基地の県内移設・辺野古新基地建設に絶対に反対し、総力でたたかおう。沖縄への自衛隊配備強化を許さずたたかいましょう。5月には、本年度も、沖縄への派遣団を全国から送り出します。沖縄の反基地闘争に連帯するたたかいを各地で恒常的に進めていきましょう。
岩国では、岩国市民のたたかいを孤立させることなく、全国各地で岩国市民に連帯する流れを大きくしていくことが重要です。そのために各地で奮闘しましょう。三裁判への支援、愛宕山座り込みへの支援連帯、また、各地で岩国市民のたたかいに連帯する取り組みを一層強めていきましょう。関西では、岩国問題を訴える関西集会などを岩国・労働者反戦交流集会実行委とともに成功させていきたいと思います(岩国・労働者反戦交流集会実との共催)。同時に、クンサンの米軍基地反対闘争をはじめ、アメリカやフィリピンなどアジア太平洋地域の反米軍基地闘争と岩国市民との直接の連帯の発展に貢献していきたいと思います。通年を通した岩国連帯運動を集約するものとして、秋には、岩国に総結集するたたかいを作りだしていこう。今秋の岩国行動2011を全国総結集でたたかいましょう。
同時に、こうした反基地闘争を、東アジアで強まる軍事的緊張、日米韓の軍事協力体制の強化と戦争策動に反対するたたかいと結合して進めていきましょう。朝鮮半島の自主平和統一を支持し、停戦協定を平和協定に。「駐韓米軍を追い出す朝鮮半島平和協定実現」署名運動を進めよう。共和国への包囲・軍事的恫喝、戦争策動を許さずたたかおう。日朝国交正常化を要求してたたかおう。昨年のCCBで話されたように、6月には、朝鮮戦争61年に際してアジア各国地域と連動した取り組みを追求しよう。また、釣魚諸島や「北方諸島」をめぐる領土拡張の野望と沖縄への自衛隊配備強化、戦争体制強化を許さずたたかっていきましょう。
さらに、上関原発建設をめぐる攻防もとても重要な局面に入りました。福島原発の事態は、原発がいかに危険であるか満天下にさらけ出しています。いまこそ、すべての原発を廃止し、原子力ではないエネルギー政策に根本的に転換させていくべきです。上関原発建設を最後的に中止においこんでいくためにたたかいを各地で広げていこう。反戦反核反原発闘争を各地で強め、すべての被バク者に連帯し被爆二世の会の呼びかけに応え、8・6集会には全国から広島に結集しよう。
第二に、反貧困、反差別・排外主義とのたたかいを、各地で進めていきましょう。
何よりも、各地でたたかう労働運動を推し進め、かつ、これに連帯していこう。そして、労働運動の国際連帯を進め、かつ、これに貢献していこう。また、野宿者支援や外国人労働者への支援など、可能な地域で取り組んでいこう。
TPP参加に反対し、外国人労働者を含む労働者と農民の共同のたたかいを支持し、ともにたたかおう。
また、在特会らの差別・排外主義と襲撃を絶対に許さないたたかいを、引き続き各地でたたかう仲間と共に進めましょう。在特会らの差別・排外主義者は、一昨年以来、関西を先頭に全国各地で活発化してきましたが、これに対する社会的な包囲といたるところでの対峙戦によって、ほぼ一緒に行動してきた在特会と主権回復を目指す会の分裂を含めその行動は一時よりは不活発になってきていますが、関西では、突撃隊と言うべき「チーム関西」が復活宣言を行ない、再度、その行動を活発化させようとしています。こうした流れは、階級矛盾の深まりを背景に増大する危険性をもっています。引き続き、在特会らの差別・排外主義攻撃に対峙するたたかいを進めていく必要があります。
さらに、在日朝鮮人・韓国人とともに、朝鮮高校への無償化除外を許さずたたかいましょう。歴史修正主義者の教科書採択を阻止するためにたたかうとともに、教育現場における「日の丸・君が代」強制などを許さず各地でたたかっていきましょう。領土問題をめぐる排外主義扇動を許さずたたかっていこう。在日・滞日フィリピン人を含むすべての外国人労働者と連帯していこう。また、ともに、部落解放闘争、障害者解放闘争、女性解放闘争、被爆者解放闘争を進めていきましょう。
第三に、国際共同闘争と国際連帯運動をより発展させていきましょう。そして、韓国でのCCB開催をともに成功させていこう。
6月と11月には、韓国やフィリピンの仲間を招いて、各地で、アジア共同行動集会を開催していきたいと思います。年二回のアジア共同行動集会を各地で成功させていきましょう。6月アジア共同行動は、6月19日東京(日)を起点に、26日(日)山口・九州を終点とする各地開催としたいと思います。韓国からたたかう労働運動の仲間を招請して日韓労働運動の連帯を進めたいと思います。
フィリピンについては、本年度も、5月ISA派遣を行ないます。また、7月には、フィリピンでILPS(国際民衆闘争同盟)総会が呼びかけられています。日本連はオブザーバー参加していますが、実際の共同闘争を基礎に正式参加も検討していきたいと思います。韓国については、7月末から8月始めにかけて、基地と労働運動を巡るツアーを今年も開催したいと思います。また、11月労働者大会に派遣団を送り出したいと思います。また、台湾やインドネシアとの連携もより意識して連帯運動を作り出していきたいと思います。
国際共同闘争について、本年は、APECがハワイで開催されます。米国の側と相談し、可能ならば、闘争派遣団を出したいと思います。さらに、11月、フランスでのG20には、闘争派遣団を送り出したいと思います。ヨーロッパには始めての闘争派遣になりますが、フランスと共闘関係をもつ諸団体とも相談しながら、ぜひ、成功させていきたいと思います。
さらに、中東、北アフリカを席巻する民衆革命の巨大な流れに連帯しよう。民主化闘争を断固支持し、中東、北アフリカ諸国の労働者階級に連帯していこう。独裁政権を支えてきた帝国主義諸国は、民衆革命のうねりの前に動揺し、手のひらを返すように独裁政権を見捨て、これにかわる次の配秩序を形成するための新たな干渉策動を強め、すでにリビアへの軍事行動に踏み出しました。これを許さず、民衆革命に連帯していこう。
なお、本年度のAWC-CCB(国際幹事会会議)は、韓国で開催することになりました。時期は、韓国側の判断によりますが、12月から来年3月くらいの間になるのではないかと思います。AWC韓国委員会に連帯し、ともに韓国CCBを成功させていきましょう。アメリカ、フィリピン、台湾、インドネシアの仲間と共に、韓国に結集しよう。韓国CCBには、全国から派遣団を送り出していきたいと思います。
また、各国地域からの支援要請や、各国地域の労働運動争議への連帯、弾圧・人権問題などに対して、重視して取り組んでいきましょう。
組織方針
まず第一に、アジア共同行動をさらに多くの人々とともに推進していくために、各地でアジア共同行動を拡大していくために奮闘しましょう。
第二に、アジア共同行動日本連および共闘団体との交流と連帯をもっと強めていくことです。東京、東海、関西、山口・九州の各地のアジア共同行動団体、アジア共同行動に参加する学生など各階層の運動、障害者解放運動や被爆二世のたたかい、部落解放運動など被差別戦線のたたかい、軍隊の性暴力とのたたかいなど、さまざまな運動との連携を強めていきましょう。また、岩国・労働者反戦交流集会実とは岩国基地拡張に反対する共同のたたかいをより一層進めていきましょう。
第三に、アジア共同行動日本連の体制をより充実させていくことです。各地方、諸運動を反映した組織体制に充実させていくことです。全国共同代表、全国幹事を拡大していく方向を引き続きとっていきます。、全国共同代表、全国幹事を拡大し、全国会議を充実させていきましょう。
第四に、本年も夏期反戦合宿を、アジア共同行動の全国活動家合宿として、組織的事業として開催します。8月20日(土)21日(日)の予定で準備したいと思います(開催場所未定)。
第五に、総括でも述べましたが、ホームページの充実やAWC情報の充実など、情報伝達、共有機能を整備していくことです。こうした領域は、全国事務局が責任をおって進めます。
最後に、アジア共同行動日本連のメンバーは、韓国やフィリピンの政府・入管当局によって、入国拒否などの不当弾圧を受けています。また、韓国やフィリピンの仲間も、同じく日本政府・入管当局によって入国拒否などを受けつづけています。国際共同闘争に対するこうした国際的な弾圧を許さず、不当な入国拒否策動をやめさせていくためにたたかっていきましょう。